【コンサルタントとは】仕事内容や職位別の役割を徹底解説
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コンサルタントとは
コンサルタントとは、企業が直面する様々な課題に対して、専門的な知見と経験を活かして解決策を提案し、その実現をサポートする専門家です。「consult(相談する)」という言葉に由来するこの職業は、単なるアドバイザーにとどまらず、クライアント企業と協力しながら目標達成に向けて尽力します。
コンサルタントの主な役割は以下の通りです:
- 問題の特定と分析
- 解決策の立案
- 実行計画の策定
- 導入支援とフォローアップ
多くのコンサルタントは、コンサルティングファームと呼ばれる企業に所属しています。これらのファームは、戦略、IT、業務改善、組織・人事、財務など、様々な専門分野におけるコンサルティングサービスを提供しています。
コンサルタントの仕事は、高度な分析力、問題解決能力、コミュニケーション能力を要します。クライアントは多くの場合、自社内では解決できない複雑な問題や、客観的な視点を必要とする課題に直面する中で、コンサルタントに支援を依頼します。そのため、コンサルタントには高い期待が寄せられ、時には厳しい要求にも応えなければなりません。
一方で、コンサルタントには大きなやりがいもあります。クライアント企業の成功に貢献し、目に見える成果を出すことで得られる達成感は格別でしょう。また、プロジェクトごとに新しいチームで働く機会があるため、多様な経験を積むことができるのも魅力の一つです。
近年では、単に助言を提供するだけでなく、提案した戦略の実行支援まで行うコンサルタントが増えています。これにより、クライアント企業との関係がより深くなり、長期的な価値創造に貢献することが可能になっています。
世界 12 か所に Web サイトを持つコンサルティング業界向けの世界有数のオンライン プラットフォーム「Consultancy.org」は、コンサルタントを以下のように定義しています。
コンサルタントとは、科学やビジネスの特定の分野において、組織または個人に専門的または専門的なアドバイスを提供する人です。「コンサルタント」という職名には法的保護がないため、理論上は、誰でもある日突然コンサルタントという肩書きを採用することを決断できます。コンサルタントという用語には幅広い定義が含まれますが、本質的には、コンサルタントと他の職業を区別する 3 つの特徴があります。
まず、コンサルタントはクライアントが不足している専門知識や、クライアントが満たすことができないサポートを提供します。コンサルタントは、専門的なサービスに対する見返りとして料金を請求します。次に、コンサルタントはクライアントから独立して業務を行います。つまり、それぞれのコンサルタントから見ると、クライアントの問題とサービスの間に利益相反はありません。最後に、コンサルタントは適切な資格を持つことから、高品質のサービス提供と堅実な内部運営の確保まで、専門的な方法で業務を行います。
Consultancy.org
コンサルタントの職位(ランク)
コンサルタント職位別の役割の概要
コンサルタントの職位(ランク)は、コンサルティングファームによって職位の数や呼称が異なるものの、以下のような職位の階層となっていることが多いです。役割についてもファームによってやや異なっており、例えばマネージャーに対して、セールス(売上)の数字を評価項目として設定しているファームもあれば、デリバリーによる評価の比重がほとんどのファームもあります。
職位 | 役割概要 |
---|---|
(ディレクター) | パートナーファームの共同経営者 部門やチームの予算・稼働率管理 組織開発(人材採用・育成、リテンション等) グローバル連携 クライアント経営層との関係構築 パートナーベンダー等との関係構築 マーケティング活動(執筆、セミナ―等) |
(プリンシパル) | シニアマネージャー複数プロジェクトの責任者 複数のPJ進捗・予算管理 クライアントとの関係構築 ソリューション開発 新規案件の獲得 マーケティング活動(執筆、セミナ―等) 組織開発(人材採用・育成、リテンション等) |
マネージャー | プロジェクトの責任者 PJ進捗・予算管理 PJ成果物の品質管理 PJチームのマネジメント クライアント対応 契約・請求業務への対応 新規案件の獲得 組織開発(人材採用・育成、リテンション等) |
シニアコンサルタント | プロジェクト実務のリーダー プロジェクト設計 PJタスク管理 PJ成果物設計(ストーリー、構成等) クライアント会議の進行 下位メンバーのマネジメント マネージャーの補佐(新規提案や契約関係のサポート等) |
コンサルタント | プロジェクト実務の実行者 担当モジュールのタスク設計・管理 仮説構築 調査・分析 課題解決策の立案 資料作成 |
アナリスト | 調査・分析担当 上位職からの指示に基づき、PJにおけるデータ収集・分析、資料作成 |
【コンサルタント】職位別に期待される役割の詳細
コンサルタント・シニアコンサルタント・マネージャーに期待される役割の詳細については以下の通りです。
※ファームや部門によって異なるため、あくまでイメージのための参考情報としてご覧ください。
コンサルタントに期待される役割のイメージ
プロジェクトマネジメント | 上位者と握った期限を守りながら、タスクを進めるタスクの進捗やリスク等について、タイムリーに上位者に報告する担当する タスクに関する問題点やリスクを認識し、主体的に代替案を検討する |
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成果物作成 | 仮説検証に必要な情報を漏れなく収集し、必要に応じて仮説をブラッシュアップしながら、論理的に施策案を構築する 複雑な事象であっても、簡潔で分かりやすい文章で表現し、正しく伝える メインメッセージと整合した図表やグラフを効率的かつスピーディに作成する フィードバックや議論を正確に理解し、成果物に的確に反映する |
クライアントリレーション | 担当者レベルのクライアントと議論・すり合わせを行い、主体的にタスクを推進する 担当タスクや成果物について自ら的確に説明し、クライアントと議論・合意形成する |
メンバーマネジメント | アナリスト等の下位メンバーがいる場合、タスクの進め方や成果物作成について、的確にフォローする |
シニアコンサルタントに期待される役割のイメージ
プロジェクトマネジメント | プロジェクトの全体像(ゴールや必要タスク)を理解し、必要工数を適切に見積もったうえで、自身とチームメンバーに対して、それぞれの能力に合ったタスクを割り当てる プロジェクトの状況に応じて、主体的に自身の役割や担当タスクを調整し、遅延リスクなどに対応する |
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成果物作成 | 状況に応じて適切なアプローチを設計し、クライアントの課題解決に向けた施策を主体的に導出する成果物のストーリー(全体構成)を作成する |
クライアントリレーション | クライアントとのコミュニケーション(MTG進行やディスカッション、日々の業務連絡など)をリードし、クライアントから信頼される |
メンバーマネジメント | チームメンバーの成果物をレビューし、成果物品質を担保するフィードバックを通じて、チームメンバーのスキルを高める |
セールス(営業) | プロジェクト終了後に発生しうる潜在的な課題や派生テーマについて、マネージャーに共有し、継続提案をサポートする 継続案件の提案書について、全体構成案の設計から作成まで、主体的に行う |
マネージャーに期待される役割のイメージ
プロジェクトマネジメント | 適切にプロジェクトの進め方を設計するプロジェクト全体の品質管理責任を負うプロジェクトリスクを察知し、関係者に働きかけて解決する |
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成果物作成 | スタッフのレビューを実施し、プロジェクトとしての成果物品質を担保するレビュー時は具体的なフィードバックやコンテンツを提供し、建設的な議論をリードする |
クライアントリレーション | クライアント側のプロジェクトリーダーをしっかりとグリップするクライアントから頼りになる必要不可欠な存在として、信頼される |
メンバーマネジメント | チームメンバーのモチベーションに気を配りながら、リーダーシップを発揮して、チームのパフォーマンスを最大化する |
セールス(営業) | 社内外の技術トレンドやニーズ動向を把握し、自ら働きかけて関係者を巻き込みながら、新たな提案機会を生み出す コンテンツやアプローチ等にインパクトがある、競争力の高い提案書を作成する |
組織運営・開発 | 案件のパイプラインやメンバーの稼働率、PJの収益状況を管理・改善する コーチング等を通じてメンバーを育成する 採用活動に参加し、自社・自部門の採用戦略に合った人材を見極め、惹きつける 新たなソリューションの開発(他部門連係、資料パッケージの作成)を行う |
コンサルタントの仕事内容
コンサルタントといっても、様々なサービスを提供しており、大きくは以下の8つのサービス領域に分けることができます。それぞのサービス領域におけるコンサルタントの仕事内容について紹介します。
戦略コンサルタントの仕事内容
戦略コンサルタントは、企業の経営陣が抱える課題やビジネスチャンスを特定し、それらの解決に向けた中長期的な戦略の立案と実行をサポートするコンサルタントです。
主な業務としては、全社的な経営戦略の策定、新規事業の立ち上げ、事業部門の黒字化、M&Aの支援などがあります。これらの課題に対して、短期間で最適な解を導き出すことが求められます。戦略コンサルタントは、クライアント企業の経営層と直接やり取りをすることが多いため、高度な論理的思考力とコミュニケーション能力が必要とされます。
事業再生コンサルタントの仕事内容
事業再生コンサルタントは、財務状況が悪化した企業の再建を支援するコンサルタントです。業務内容はデューデリジェンス(財務DD、事業DD)、事業再生の計画策定、金融機関等利害関係者との調整、モニタリング、実行支援などが挙げられます。
財務・事業デューデリジェンスでは、企業の財務諸表や事業内容を詳細に分析し、問題点を特定します。その分析結果に基づいて事業再生計画を策定し、組織改革、コスト削減、新事業への進出など、具体的な施策を決めていきます。計画の実行にあたっては、金融機関などの利害関係者との調整を行いながら、必要な資金援助や支援を確保していきます。また、計画の進捗状況を定期的にモニタリングし、必要に応じて軌道修正を行い、場合によっては現場に入って実行支援を行うこともあります。
経理・財務コンサルタントの仕事内容
経理・財務コンサルタントは、企業の財務・会計業務の改善と最適化を支援するコンサルタントです。中長期的な財務戦略の策定、経理・財務組織の再設計、規制対応、業務効率化、情報開示、システム導入、人材育成、M&Aサポートなど、幅広い領域で企業をサポートします。
具体的には、財務課題の特定と解決策の提案、グローバルな財務管理体制の構築、内部統制の強化、決算業務の効率化、統合報告書の作成、IR活動の支援、最新テクノロジーを活用した経理業務改革、財務リテラシー向上のための研修プログラムの提供、M&A戦略の策定と実行支援などが挙げられます。さらに、ESG財務やデジタル通貨など、新しい領域への対応も求められています。
SCMコンサルタントの仕事内容
SCMコンサルタントは、企業のサプライチェーンを最適化し、効率化することを目指すコンサルタントです。サプライチェーンとは、原材料の調達から製品の生産、在庫管理、物流、販売に至るまでの一連のプロセスを指します。
SCMコンサルタントは、クライアント企業のサプライチェーンの現状を分析し、課題を抽出します。そして、その課題に対する改善策を立案し、実行をサポートします。具体的には、需要予測の精度向上、生産計画の最適化、在庫管理の効率化、物流ネットワークの再設計、調達戦略の見直しなどが含まれます。
また、SCMコンサルタントは、先進的なテクノロジーやシステムの導入も提案します。例えば、IoTやAIを活用した在庫管理システム、シミュレーション技術を用いた生産計画システムなどです。これらのシステムを効果的に導入することで、サプライチェーンの可視化と自動化を推進し、業務効率と意思決定の質を高めることができます。
人事・組織コンサルタントの仕事内容
人事・組織コンサルタントは、企業の人事戦略や組織戦略の立案と実行を支援するコンサルタントです。採用、育成、評価、報酬、労務管理など、人事領域全般にわたる課題解決のためのコンサルティングサービスを提供します。
具体的には、人事制度の設計、組織風土の改革、人材育成体系の構築、採用戦略の策定、労務コンプライアンスの強化、人事データの分析など、多岐にわたるテーマについて専門的な知見を活かしてクライアント企業をサポートします。
また、近年ではデジタル化の進展に伴い、HR Tech(人事領域のテクノロジー)の導入・活用支援や、人的資本経営の推進など、新たな課題にも対応しています。
マーケティングコンサルタントの仕事内容
マーケティングコンサルタントは、企業のマーケティング活動全般を支援するコンサルタントです。市場調査、ブランディング、販促戦略、デジタルマーケティングなど、幅広い領域でクライアント企業の課題解決に取り組みます。
具体的には、市場動向や競合分析に基づくマーケティング戦略の立案、ターゲット顧客の設定、ブランドポジショニングの明確化、効果的なコミュニケーション施策の提案などを行います。また、デジタル領域では、ウェブサイトやソーシャルメディアの活用、データ分析に基づくターゲティング、顧客体験の最適化などもサポートします。
さらに、AIやVR/ARなどの最新テクノロジーを活用した革新的なマーケティング手法の導入支援も、マーケティングコンサルタントの重要な役割の一つです。
IT/DXコンサルタントの仕事内容
IT/DXコンサルタントは、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するコンサルタントです。経営戦略とIT戦略の融合、業務プロセスの最適化、先進技術の導入など、幅広い領域で企業のデジタル化を推進します。
具体的には、IT戦略の策定、基幹システムの刷新、クラウドサービスの活用、AIやRPAの導入、データ活用基盤の構築、セキュリティ対策の強化、アジャイル開発の推進などがあります。IT/DXコンサルタントは、技術的知見だけでなく、業務プロセスや組織変革についての深い理解も必要とされます。
また、プロジェクトマネジメントの専門家として、PMOの立ち上げやプロジェクトの進捗管理、リスク管理なども行います。
ESG・サステナビリティコンサルタントの仕事内容
ESG・サステナビリティコンサルタントは、企業の持続可能な成長を支援するコンサルタントです。環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の観点から、企業活動を評価・改善することで、長期的な企業価値の向上を目指します。
具体的には、ESG戦略の策定、マテリアリティ(重要課題)の特定、SDGsの企業経営への統合、人権デューデリジェンスの実施、サプライチェーンのESGリスク管理、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)対応、CDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)回答支援、統合報告書の作成、ESG評価機関への対応など、幅広い領域でサポートを提供します。
また、サーキュラーエコノミー(循環型経済)への移行支援や、生物多様性への配慮など、より専門的なテーマにも対応します。ESG・サステナビリティコンサルタントは、国際的なガイドラインや規制動向に精通し、先進的な取り組み事例にも知見を持つことが求められます。
企業のESG・サステナビリティ経営の推進は、投資家や消費者からの信頼獲得、リスク管理、イノベーションの促進など、多面的な効果が期待できます。ESG・サステナビリティコンサルタントは、専門的な知見とスキルを活かし、企業のサステナブル経営の実現を支えるパートナーとして、近年注目を集めています。
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