未経験中途からのコンサル転職の実態と成功のポイントを徹底解説

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未経験中途からのコンサル転職

近年、未経験中途でのコンサルティング業界への転職について興味を持っている方は少なくありません。コンサルティングファームは、若いうちからビジネスパーソンとして成長できる環境や年収の高さ、仕事のやりがい等から、近年新卒・中途問わず人気を集めている業界の1つです。

本記事では、未経験中途からのコンサルティングファームへの転職の実態や成功のポイントについて詳しく解説します。

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目次

疑問・悩み①
未経験中途でのコンサルティングファームへの転職は可能か?

仕事の難しさやプレッシャーの高さが特徴のコンサルティングファームですが、未経験者が中途でコンサルティングファームへ転職することはできるのでしょうか?

結論から述べると、未経験中途でのコンサルティングファームへの転職は可能です。

例えば、外資系戦略コンサルティングファームのA.Tカーニー社は以下のように答えています。他のコンサルティングファームも同じスタンスでしょう。

Q:コンサルタントの経験がなければ、採用は難しいですか?

A:コンサルタントとしての経験は不問です。コンサルティング・ファームでの経験の有無ではなく、むしろこれまでの学生生活や社会人生活の中で直面した、仕事や会社、業界の様々な問題にどのように取り組んできたかが大切なのです。そこであなたがどのように考え、どのようにその問題を解決してきたか、そして何を発見できたのか。当社ではそれを重視します。

引用)A.TカーニーFAQ(https://www.jp.kearney.com/working-here/faq)

コンサルティングファームの社員は未経験中途が中心

そもそもコンサルティングファームの社員構成の特徴として、中途採用者の割合が高いです。ファームによって多少の差はありますが、全体の6割から8割程度を中途社員が占めるイメージです。もちろん中途社員の中には、中途社員の中にはコンサルティング業界での経験者も含まれますが、特に大手ファームにおいては、業界未経験者の割合がより高いでしょう。

疑問・悩み②
未経験中途でコンサル転職できるのはどんな人?

コンサルティングファームへの未経験中途転職の可能性が明らかになった今、次なる疑問は「どんな人が未経験中途でコンサル転職できるのか?」でしょう。

ここでは以下の5つの観点から、未経験中途でコンサルティングファームに転職できる可能性がある人について解説します。

最新の業界動向を踏まえたコンサルティングファーム側の
「未経験中途人材」への期待(欲しい人材)

コンサルティングファームが未経験中途社員に求めるものは何でしょうか?もちろん、論理的思考力、コミュニケーション能力、プロフェッショナルとしてのマインドなど、コンサルタントとして活躍するために必要な資質は重要です。一方で、近年のコンサルティング業界のビジネス環境からみえてくる「未経験中途」への期待もあります。

コンサルティングファームが未経験中途に期待すること

「未経験中途」への期待①
Howの知見と推進力

コンサルティングファームは近年、戦略検討や企画フェーズのみならず、開発・実行フェーズまで含めて、クライアントの課題解決を支援しています。

この背景には、クライアント側が人材不足を理由に、開発・実行フェーズにおいても、クライアント側の立場に立って、プロジェクトをマネジメントしてくれるコンサルタントを求めているという事情があります。また、急速にビジネス環境が変化する現代において、戦略は一度立てたら終わりではなく、実行と結果に合わせて改善していく必要があるということも、クライアント側がコンサルティングファームに対して、実行フェーズまで含めた支援を求めている理由です。

一方で、コンサルティングファーム側としても、ビジネスを成長させていく戦略として、開発・実行領域への進出を強化しています。例えば、大手総合系コンサルティングファームのデロイトトーマツコンサルティングは、アドバイザリー(Advisory)、システムの開発・導入(Implement)、保守・運用(Operate)をEnd-to-Endで提供する「AIO」という戦略方針を示しています。

デロイトトーマツコンサルティングのAIOの取り組み

デロイト トーマツ グループでは企業のデジタル変革(DX)の推進を戦略策定のアドバイザリー(Advisory)から、システムの開発・導入(Implement)、保守・運用(Operate)までのEnd-to-Endでサービス提供することで、多種多様な課題の解決を支援しています。これらの領域の頭文字から「AIO(エーアイ―オー)」と名付け、コンサルタントとエンジニアが連携したサービスの実現と、この方針のもとで、テクノロジー基盤の強化、テクノロジー人材の採用・育成、関連分野でのM&Aなどに重点的な戦略投資を行う計画を進めています。

引用:デロイトトーマツコンサルティング プレスリリース内本文

具体的にEnd-to-Endのイメージについて述べると、例えば「新規事業の立ち上げ」を目指すプロジェクトにおいて、従来の事業戦略や事業内容の企画だけでなく、事業実現に必要なシステム開発や事業開始後のグロース(マーケティングなど)まで、コンサルティングファームが包括的に支援するようになってきています。

コンサルファームのEnd-to-Endの動きを受けて、システム開発を主力事業としてきた大手SIerや、広告・マーケティングを生業とする大手広告代理店が、逆にコンサルティングサービスを開始し、業界の垣根を越えた競争が激化していることは、周知の事実でしょう。

このような背景から、コンサルティングファームでは、開発や実行領域でもプロジェクトを推進できる人材を求めています。従来の戦略・企画領域では、様々な調査や分析をもとに「Why(目的や理由)」や「What(何をやるのか、方針)」に関する意思決定を支援してきました。しかし、開発・実行フェーズでは「How(どのように)」が重要になります。

例えば、新規事業の立ち上げ後、グロースを加速させる際には、デジタル広告やPR、オウンドメディア、SNSなど多様なマーケティング手段の中から、各施策の最適な組み合わせを選択し、PDCAサイクルを回して成果を出すといった、極めて実務に即した知見が求められます。このような生きたビジネス知見は、新卒でコンサルティングファームに入社した若手には期待しづらく、実務で成果を出してきた中途採用者でなければ持ち合わせていないでしょう。

コンサルティングファームは、開発力や実行力を高めるために、システム開発会社やデジタルマーケティング企業などのM&Aを進め、子会社化することでケイパビリティを強化しています。しかし、これらの子会社のリソースを効果的に活用するためにも、実務経験を持つ中途人材が不可欠です。

つまり、コンサルティングファームの業務領域の変化に伴い、Howの知見や実行フェーズを推進できる力を持つ未経験中途人材へのニーズは高まっているといえます。

大手コンサルティングファーム出身のコンサルタントのコメント

”Howを知っていることで、戦略・企画段階においても、施策の実効性や実現性を踏まえて、TO-BEを描けるのは武器になる印象です。現代においては、デジタルが無関係な戦略案件は存在しないといえるため、特にデジタルに関して、開発や実行の知見を持っていることの重要性は高まっていると感じます。”

「未経験中途」への期待②
新たな技術・社会トレンドの知見

コンサルティングファームは、新たな技術や社会トレンドに迅速に対応し、クライアントへのコンサルティングサービスとして提供できるレベルまでソリューションの品質を高める必要があります。

その理由は、大手コンサルティングファームが様々な業界の大手事業会社に担当者を配置し、日々多様な経営課題の相談に応じているためです。その中で、「生成AIについて役員陣の理解を深めたい」「サステナビリティに対応したサプライチェーンの見直しを検討したい」など、新たな経営トピックに関するアドバイスや支援を求められることが多いのです。

例えば、「生成AI」や「ESG・サステナビリティ」は近年注目を集めているトレンドであり、主要なコンサルティングファームはすでに専門チームを組成し、これらの分野に精通した人材を求めています。 未経験中途採用においても、このような新たな技術・社会トレンドに関する知見を持つ人材が特に求められているといえるでしょう。

「未経験中途」への期待③
「案件を取ってこれるマネージャー」になれる資質

国内のコンサルティング市場は拡大を続け、コンサルティングファームの規模拡大や新たなファームの参入が相次いでいます。しかし、一部のファームや部門では稼働率(在籍するコンサルタントがプロジェクトに従事できている割合)が低下し、採用を抑制している状況も見られます。 コンサルティング市場の拡大傾向は当面続くと予想されていますが、ファームとしては将来を見据えて稼働率向上に注力していることを考慮すると、新たな案件を取ってこれる人材へのニーズが高まっていくでしょう。

コンサルティング業界では、一般的な業界とは異なり、若手コンサルタントは営業活動を行いません。彼らはマネージャー以上の管理職が獲得した案件に参画し、デリバリー(案件の遂行)に専念します。

また、優秀なコンサルタントであっても、必ずしも営業が得意とは限りません。もちろん、コンサルタントとしての実力があるからこそ、クライアントが案件を依頼したくなるようなプロジェクトアプローチの設計やプレゼンテーション、議論ができる面もありますが、営業においては、会食や雑談を通じた相手との関係構築や、ある種の営業センスも求められます。加えて、クライアント社内の力学や関係性を理解したうえで、担当者が稟議を通しやすくするような段取りも必要でしょう。

そういった意味で、未経験中途採用者は、事業会社で培った経験を活かして、営業で強みを発揮することが少なくありません。もちろん、営業を担うマネージャーになるには、コンサルタントとしてしっかりとデリバリーできるようになることが大前提ですが、営業力のある未経験中途人材は求められているといえます。

大手コンサルティングファーム出身のコンサルタントのコメント

”コンサルティングファーム各社は、生成AIの登場を受けて、調査や分析、資料作成など、従来メンバー層(アナリストやコンサルタント等)が担ってきた業務の自動化・業務負荷削減を進めています。AIエージェントのような構想もあり、将来的に調査・分析や資料作成のための人員が不要になる可能性もゼロではありません。

そのような未来を見据えた時、コンサルタントの役割はより顧客との関係構築やクライアント社内での変革推進といったコミュニケーションの比重が高まり、そういった強みを持つ人材へのニーズが高まる可能性があります。”

未経験中途でコンサル転職できる年齢は?

未経験中途でコンサル転職できる年齢

未経験中途でコンサルティング業界へ転職する際、最適な年齢やタイミングがあるのでしょうか?

結論としては以下の表に示すように、
20代から40代までの幅広い年齢層で未経験中途のコンサル転職が可能です。

20代前半第二新卒として転職するのがねらい目。
20代後半~30代未経験中途採用のボリュームゾーン。ただし、30代後半になるとマネージャー以上のランクでの入社が基本となり、ハードルが上がる。
40代大手総合ファームでの採用は厳しい。一方、新興系のITコンサルファームでは、SIer出身などIT知見があれば採用されるケースあり。

20代後半~30代がボリュームゾーン

未経験中途でのコンサル転職において、20代後半から30代がボリュームゾーンとなっています。

20代後半~30代前半では、コンサルタントやシニアコンサルタントといったメンバーランクでの入社が一般的です。マネジメント経験などを活かし、早期にコンサルティングワークにキャッチアップできた場合、1~2年でマネージャーに昇格するケースもあります。

一方、30代後半になると、マネージャー以上のランクでの転職が主流となります。このため、キャッチアップの難しさなどから、転職のハードルが上がってきます。尖った専門性やマネジメント経験、企画職やプロジェクトマネージャーなどのコンサルティングに近い業務で成果を出した実績が求められるでしょう。

大手コンサルティングファーム出身のコンサルタントのコメント

”コンサルティングファームでは、年功序列の考え方はなく、実力主義が徹底されています。新卒入社でスムーズに昇格した場合、20代後半でマネージャーになることも珍しくありません。そのため、30代でコンサルティングファームに転職すると、年下の上司に出会うこともあるでしょう。さらに、コンサルタントとしての経験値の差から、最初はレビューでも圧倒されてしまうかもしれません。

そのため、年下の上司が苦手な方は、30代での転職を再考する必要があるかもしれません。ただし、コンサルティング業界では、あまり年齢を意識することはなく、若手でもマチュアな人材が多いため、年下だと感じないかもしれません。”

社会人経験2~3年以内なら、第二新卒がねらい目

社会人経験が2~3年以内であれば、第二新卒としてコンサルティングファームに入社するのがねらい目です。

一時期ほど積極的ではないかもしれませんが、現在も大手コンサルティングファームを中心に、第二新卒採用が行われています。「若いうちからもっとバリバリ仕事をしたい」「ホワイト過ぎて逆に将来が不安」といった悩みを抱える優秀な人材を獲得できるため、コンサルティングファームは第二新卒採用に力を入れています。

第二新卒で入社するメリットは、以下の2点が挙げられます。

  1. 新卒と同様に手厚い入社後研修(2~3か月)を受けられる
  2. 豊富な同期ネットワークが得られる

特に同期ネットワークは強力な武器となります。新たに参画するプロジェクトの類似案件経験を持つ同期から情報を得たり、興味のある部門に配属された同期からマネージャーやパートナーを紹介してもらえたりと、様々な場面で同期ネットワークを活用できます。

大手コンサルティングファーム出身のコンサルタントのコメント(新卒でコンサル入社)

”第二新卒の年齢は、4年制大学卒業で「25〜26歳」、大学院卒業で「27〜28歳」程度ですが、新卒の中に入っても特に浮いている印象はありませんでした。コンサルティングファームには様々な経歴の人が入社しています。「大学で数年留年した人」、「起業していて数年休学していた人」、「博士号を持っている人」など、20代後半の方も珍しくありません。そのため、「〇〇さん、第二新卒だったんですね」と後から驚くことも多かったです。”

40代の未経験者を採用するファームもある

コンサルティングファームにおいて、40代の社員はマネージャー以上のポジションが一般的で、パートナーになる人も多くいます。大手有名コンサルティングファームでは、社長・CEOが40代であるケースも珍しくありません。

そのような状況下で、40代未経験者のコンサル業界への転職ハードルは高いといえます。特に、戦略ファームや大手総合ファームへの転職は非常に難しいでしょう。

しかし、新興のITコンサルティングファームなどでは、40代未経験者の採用事例もあります。ただし、対象となるのは以下のような人材です。

  • SIerでのプロジェクトマネージャー経験など、ITコンサルに近しい経験を持つ人
  • IT知識やマネジメント経験が豊富で、マネージャーとして活躍できる人

40代未経験でコンサル転職を目指す場合、コンサル転職に強いエージェントに依頼して求人を探すことが圧倒的に効率的です。エージェントに登録し、専門家のサポートを受けることを特におすすめします。

未経験中途でのコンサル転職する際に学歴は必要?

未経験中途でコンサル転職する際の学歴

新卒採用では高学歴の学生が大半を占めるコンサルティングファームですが、中途採用においても高学歴は必須条件なのでしょうか? 

結論から述べると、中途採用では学歴がすべてではなく、職歴や経験・スキルも重視されます。そのため、中途採用でも高学歴の人が多いものの、学歴だけを理由に諦める必要はありません。ただし、学歴に不安がある場合は、それを補完するための十分な職歴や経験・スキルが求められます。

有名大学卒業者が大半を占めるのが実態

未経験で中途採用されるコンサルタントには、高学歴な方が多いのが実態です。 戦略ファームでは、「東京大学、一橋大学、東京工業大学」や「早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学」の出身者が多く、規模の大きな大手総合ファームでも「東京大学、一橋大学、東京工業大学」、「早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学」、「旧帝大」、「地方の有名国立大学」、「GMARCH」などの大学の卒業生が多数を占めています。

ただし、中途採用においては学歴によるスクリーニングを行っているというよりは、「論理的思考力に長けた人材」や「知的好奇心が旺盛な人材」を選考した結果として、高学歴の社員が多くなっているということでしょう。

一方で学歴が無くても、経験や資格を武器に転職することは可能

確かに、コンサルティングファームには高学歴の社員が多く在籍していますが、中途採用においては学歴だけでなく、職歴や経験・スキル・資格なども重視されます。そのため、学歴に不安があるからといって、コンサル業界への転職を諦める必要はありません。

ただし、他の候補者と比べて学歴が相対的に低い場合は、特筆すべき経験やスキルを有していることが求められます。現職で自身の主体的な行動によって成果を挙げたり、希少なスキルを身につけたり、あるいはコンサルティングファームの業務で評価され得る資格を取得するなど、自分の強みや武器を持つことが重要です。

MBA(Master of Business Administration/経営学修士号)は必要か?

結論から述べると、コンサルティングファームに転職するためにMBAを取得する必要はありません。MBAを持っていないコンサルタントの方は多いですし、むしろMBAを持っているコンサルタントの方が少ないでしょう。

しかしながら、MBAを保有していることで、選考プロセスにおいて有利に働く可能性はあります。MBAでビジネスについて体系的に学んでいることは、一定の実力の証明になります。また、社会人として多忙な中でMBAを取得するのは容易ではないため、ハードワークができることや経営への関心の高さを示すことにもなります。

もし学歴に不安がある場合などは、MBAの取得を検討するのも1つの戦略かもしれません。ただし、コンサル転職を目指す際には、まずはエージェントに相談し、本当にコンサル転職のためだけにMBAを取得する必要があるのかを確認することをおすすめします。

Q:コンサルタントになるためにはMBAは必要ですか?

A:MBAは、経営に関する理論や技法を体系的に習得することができる大変良いものと考えますが、コンサルタントとして仕事をしていく上で必ず持っていなければならないというわけではありません。実際、当社ではMBAホルダーではないコンサルタントも数多く活躍しています。資格そのものよりも、これまでの仕事を通して得た知識や経験こそが貴重な財産であり、それを実践の場でどのように活かせるかが重要であると考えます。

引用)A.TカーニーFAQ(https://www.jp.kearney.com/working-here/faq)

未経験中途でコンサル転職する際に有利に働く資格は?

未経験中途でコンサル転職する際に有利に働く資格

学歴に不安がある場合などは、資格などで少しでも選考を有利に進めたくなるものです。未経験中途でコンサル転職をする際に有利に働く資格にはどのような資格があるでしょうか?

未経験中途でのコンサル転職で武器になり得る資格は、大きく「士業系の資格」と「IT系の資格」の2つに分けられます。

士業系の資格

未経験中途でコンサル転職する際に有利になり得る資格

実態としては、大手コンサルティングファームのコンサルタントの中で、士業系資格保有者の割合はそれほど高くありません。日常業務において、士業の専門知識を必要とする場面が限定的であり、必要な際には社内外の専門家に助言を求めることができるためです。しかし、資格を保有していることで選考で有利になる可能性はあります。

大手コンサルティングファーム出身のコンサルタントのコメント(元BIG4)

”あるグローバルプロジェクトでマーケティング施策のガバナンスについて検討した際、本社から各国の支社にマーケティングシステムやクリエイティブ素材を提供する場合の移転価格税制のリスクが懸念事項として浮上しました。そこで、グループ内の税理士法人に相談しました。”

未経験中途でのコンサル転職する際に武器になる資格(士業系#1)
公認会計士

公認会計士は、財務・会計のプロフェッショナルとして、監査、税務、コンサルティングなど幅広い分野で活躍することができます。医師、弁護士と並ぶ難関国家資格の一つであり、高度な専門性が求められます。

特に有利になり得るファーム:事業再生ファーム、FAS、BIG4等の経理・財務コンサル部門

事業再生ファームで有利になり得る理由

事業再生においては、財務の健全性を正確に把握することが重要であり、公認会計士の専門知識が役立ちます。財務諸表の分析や、再生計画の策定等において、公認会計士の経験が活かせるため、選考において有利になる可能性があります。

FASで有利になり得る理由

FAS(Financial Advisory Service)では、M&Aや企業再編等の財務に関する高度な助言を行います。公認会計士の財務・会計の専門性は、デューデリジェンスや財務モデリング等のFASの業務に関連するスキルであるため、選考において有利になる可能性があります。

BIG4の経理・財務コンサル部門で有利になり得る理由

BIG4の経理・財務コンサル部門では、CFOとCFO組織が対面するすべてのアジェンダに対応するコンサルティングを行います。具体的には以下のようなサービスを提供しています。これらの領域は公認会計士の財務・会計の知見が強みとなるため、選考において有利になる可能性があります。

  • ファイナンスストラテジー
    • 財務経理組織の将来像検討
    • トレジャリー
    • IPO Day1 対応
    • イベント&ターンアラウンド
    • ファイナンスタレントマネジメント
  • ビジネスファイナンス
    • 連結経営管理
    • KPI体系再構築
    • 原価計算制度設計
    • 経営管理システム導入
  • オペレーショナルファイナンス
    • 財務経理業務改革(BPR)
    • 決算期統一・早期化
    • 会計システム構想
    • グローバルビジネスサービス
    • 機能配置(Service Delivery Model)
    • SSC構築
  • コーポレート改革
    • コーポレート改革/組織再編
    • 持株会社設立支援
    • 全社コスト削減(Strategic Cost Transformation)

参考)デロイトトーマツコンサルティング合同会社 キャリア採用ページ(Finance & Performance部門紹介)

USCPA(米国公認会計士)を持っていると、コンサル転職で有利になる?

USCPA(United States Certified Public Accountant)は、米国の各州会計士委員会が認定する公認会計士資格です。USCPAは、国際的な会計基準や英語力といったビジネスパーソンに必須のスキルを証明する、世界的に高く評価された国際資格であり、日本からも受験が可能です。

米国公認会計士は、日本の公認会計士資格と比べて取得のハードルが低く、仕事と並行して取得を目指せる点で人気があります。コンサルティングファームへの転職においても、USCPAは以下のような点で選考での優位性につながる可能性があります。

  • 会計・税務に関する一定の知識を有していることの証明
  • 一定の英語力を有していることの証明
  • 仕事との両立で難関資格を取得するバイタリティの証明

特に、FASや事業再生系ファーム、BIG4の経理・財務コンサル部門などの選考において、USCPAが有利に働く可能性が考えられます。

簿記を持っていると、コンサル転職で有利になる?

簿記検定については、「簿記1級」を保有している場合は選考での優位性につながる可能性がありますが、「簿記2級」以下では有利に働く可能性は低いと言えます。大手総合コンサルティングファームでは、新卒入社前の課題として「簿記2級」の取得を求めるケースが多く、簿記2級レベルの知識はコンサルタントとして働く上で基礎的なスキルと見なされているためです。

未経験中途でのコンサル転職する際に武器になる資格(士業系#2)
中小企業診断士

中小企業診断士は、中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家であることを示す国家資格です。この資格の取得には、「経済学・経済政策」「財務・会計」「企業経営理論」「運営管理」「経営法務」「経営情報システム」「中小企業経営・政策」などの幅広い分野における知識が必要とされます。これらの知識を有していることを証明することで、中小企業の経営に関する専門性を示すことができます。

特に有利になり得るファーム:国内独立系ファーム

国内独立系ファームで有利になり得る理由

国内独立系ファーム(船井総研など)のクライアントの多くは中小企業であるため、「中小企業診断士」の資格を持つことは、経営者からの信頼を得るうえで強力な武器となり得ます。そのため、国内独立系ファームの選考において、この資格を有していることは有利に働く可能性があります。

一方で、戦略コンサルティングファームや大手総合コンサルティングファームのクライアントの大半は大手事業会社です。これらの大手ファームが提供するコンサルティングフィーは非常に高額であり、そのフィーを支払えるのは主に大手事業会社となります。

したがって、大手ファームの選考においては、「中小企業診断士」の資格がそれほど有利に働く可能性は低いと考えられます。ただし、仕事をしながら中小企業診断士の資格を取得することは、ハードワークや知的好奇心の証明になるため、その点で評価される可能性はあるかもしれません。

未経験中途でのコンサル転職する際に武器になる資格(士業系#3)
社会保険労務士(社労士)

社会保険労務士(社労士)は、社会保険や労働関連の法律に関する専門知識を有する国家資格です。この資格は、雇用、社会保険、労働問題、公的年金の分野において唯一の国家資格となっています。社労士資格を取得することで、健康保険、雇用保険、厚生年金などに関連する書類の作成および行政官庁への提出に関する代行業務や、就業規則、労働者名簿、賃金台帳などの作成が可能となります。

特に有利になり得るファーム:人事・組織特化ファーム、総合ファームの人事・組織コンサル部門

人事・組織特化ファームや総合ファームの人事・組織コンサル部門で有利になり得る理由

人事・組織系のコンサルティングプロジェクトでは、人事制度の設計や評価制度の構築などが重要なテーマとなります。社労士資格を持っていることで、労働社会保険諸法令に対する深い理解を示すことができ、クライアント企業が直面する労務リスクを的確に回避しつつ、実効性のある制度設計を行うことができるでしょう。

そのため、社労士資格を有していることは、人事・組織特化ファームや総合ファームの人事・組織コンサル部門の選考において、有利に働く可能性があります。

中には医師免許や弁護士資格を持つ人も

大手総合コンサルティングファームの中には、「医師免許」や「弁護士資格」を持つコンサルタントもいます。特にヘルスケア業界を専門とする部門やチームでは、臨床経験のある医師出身の方や薬剤師の方なども、最近では珍しくありません。

大手コンサルティングファーム出身のコンサルタントのコメント

”例えば製薬業界では、「Beyond the Pill」と呼ばれる新たな事業モデルの構築が重要なテーマの1つとなっています。これは、医薬品の創出・販売を越えた、予防や予後にアプローチする事業を検討することを意味します。このような事業を検討する際には、患者や医療従事者に対する深い理解が不可欠です。そこで、元医師のコンサルタントに、臨床現場での業務の流れについて話を聞いたり、インタビューを依頼する病院の先生を紹介してもらったりするなど、助けてもらいました”

IT系の資格

未経験中途でコンサル転職する際に有利になり得る資格

現在、企業の経営課題においてIT・デジタルが関係ないものは珍しく、ITの知識を持っていることは非常に重要です。コンサルティングファームもIT領域に強い人材を集めており、今後もその流れは変わらないでしょう。そういった意味でIT系の資格は未経験中途でコンサル転職を目指すうえで大きな武器となる可能性があります。

未経験中途でのコンサル転職する際に武器になる資格(IT系#1)
ITストラテジスト試験

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)による国家資格である「ITストラテジスト」は、「高度IT人材として確立した専門分野をもち、企業の経営戦略に基づいて、ビジネスモデルや企業活動における特定のプロセスについて、情報技術(IT)を活用して事業を改革・高度化・最適化するための基本戦略を策定・提案・推進する者」であることを証明する資格です。

ITストラテジストは、12ある「情報処理技術者試験」の中でも最難関の資格であり、合格率は約15%程度と非常に低くなっています。高度なIT知識が要求されるため、基本的には応用情報技術者試験や基本情報技術者試験などに既に合格している方が受験する資格となっています。IT知識がある方でも、合格するためには100~200時間程度の勉強時間が必要とされているため、取得難易度は高いですが、保有していれば、未経験中途でコンサル転職する際に大きなアピールポイントになるでしょう。

未経験中途でのコンサル転職する際に武器になる資格(IT系#2)
PMP®(Project Management Professional)

PMPは、Project Management Institute (PMI) と呼ばれる、プロジェクトマネジメントの国際的な専門団体が認定しているプロジェクトマネジメントに関する国際資格です。PMPを取得していると、プロジェクトマネジメントに関する体系的な知識を有していると見なされるため、IT系の大規模プロジェクトなどを管理・推進できる人材としてアピールすることができます。

未経験中途でのコンサル転職する際に武器になる資格(IT系#3)
プロジェクトマネージャー試験

プロジェクトマネージャー試験は、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が運営する資格で、「高度IT人材として確立した専門分野をもち、組織の戦略の実現に寄与することを目的とするシステム開発プロジェクトにおいて、プロジェクトの目的の実現に向けて責任をもってプロジェクトマネジメント業務を単独で又はチームの一員として担う者」であることを証明できる資格です。

この資格を持っていることで、コンサルティングファームが管理することの多い、複雑で大規模なプロジェクトをPMまたはPMOメンバーとして管理・推進するスキルを持つ人材としてアピールできるでしょう。

未経験中途でのコンサル転職する際に武器になる資格(IT系#4)
SAP認定コンサルタント資格

SAP認定コンサルタント資格は、世界的に有名なERPシステムであるSAPのスキルと知識を持っていることを証明する資格です。多くの企業で「SAP ERP 6.0」のサポート終了に伴い、「SAP S/4HANA」への移行が急がれていますが、SAPの導入・開発に対応できる人材は業界全体で不足しています。そのため、コンサルティングファームはグローバル案件も含めた大規模なSAP移行プロジェクトに多数関わっており、SAP人材に対する強いニーズを持っています。

したがって、SAP認定コンサルタント資格は、未経験中途でのコンサル転職において大きな武器となるでしょう。SAP社はパートナー別のSAP認定コンサルタント資格取得数を公開しており、このランキングの上位に多数のコンサルティングファームが入っていることからも、SAP人材が強く求められていることが分かります。

【SAPコンサルティング資格取得数ランキングTOP10】(2024年7月時点)

1位アビームコンサルティング5,709名
2位富士通3,249名
3位アクセンチュア3,156名
4位日立製作所1,528名
5位デロイトトーマツコンサルティング1,484名
6位PwCコンサルティング1,423名
7位日本IBM1,346名
8位NTTデータ1,288名
9位SCSK1,078名
10位ベイカレント・コンサルティング1,010名

未経験中途でのコンサル転職する際に武器になる資格(IT系#5)
Salesforce認定資格

Salesforce認定資格は、Salesforce社の製品知識と関連する業務知識・スキルを証明する資格です。コンサルティングファームは、CRMやマーケティングオートメーションなどの導入プロジェクトを多数手がけており、その際にSalesforceを利用することも少なくありません。未経験中途でコンサル転職する際に、Salesforceの資格を持っていることで、即戦力人材としてアピールできる可能性があります。

未経験からのコンサル転職で、TOEICは武器になる?

結論から言えば、TOEICで高得点を取っていたとしても、それほど選考で有利にはならないでしょう。大手総合コンサルティングファームなどでは、新卒社員全員に入社までにTOEIC900点の取得を課しており、英語の読み書きをするうえでTOEIC900点程度は最低限必要とされる基準です。

また、TOEICの点数は英語のスピーキング能力とあまり関係がなく、コンサルティングファームで武器になり得る英語力(グローバルな会議を英語でファシリテーションできる、ディスカッションできるなど)の証明にはなりません。そういった意味で、TOEICは転職の際の大きな武器にはなり得ないでしょう。

ただし、帰国子女や海外駐在経験などがあり、英語でインタビューや会議のファシリテーションができるレベルの場合は、入社後に参画できる案件の幅が広がりやすいのは事実です。高い英語力を持つことは、面白いグローバルプロジェクトへの参画機会の増加につながる可能性があります。

Q:英語力はどのくらい必要ですか?

A:応募に際して、TOEICが何点以上なくてはならないということはありませんし、海外経験が必要であるということもありません。コンサルタントとして必要な資質は、もっと本質的な部分にありますので、学習する意欲があれば、英語力を伸ばしていくことは十分可能と考えます。 しかしながら、入社後は、プロジェクトやトレーニングなどで英語を使う機会がありますので、英語力が高ければそれだけコンサルタントとしての可能性が広がるということは言うまでもありません。当社は教育研修補助制度を有しており、これを利用して英語力をブラッシュアップしているコンサルタントもいます。

引用)A.TカーニーFAQ(https://www.jp.kearney.com/working-here/faq)

大手コンサルティングファーム出身のコンサルタントのコメント

”グローバルな印象があるBIG4や大手コンサルティングファームなどでも、意外と英語ができないコンサルタントは多いです。読み書きは多少できても、ヒアリングやスピーキングは全くという方も多く、その場合は英語ができる新卒社員などに、英語インタビューなどを頼っている印象です。

また、資料作成という意味では、スライドをそのまま英語化するシステムを利用するなど、英語力がなくても対応できるようになってきてはいます(まだ精度が低く、修正が必要な場合も多いですが)。将来的には、リアルタイム翻訳などの技術の発展により、英語力がそれほどネックにならない場合も増えてくるかもしれません。”

未経験中途でコンサル転職する際に求められる適性は?

未経験中途に求められるコンサル適性

コンサルティング業界への未経験中途採用において、学歴や資格といった要素は重要ですが、最も重視されるのはコンサルタントとしての適性です。コンサルティングファームは、職務経歴書や面接(ビヘイビア・ケース)、WEBテストなどを通じて、候補者のコンサルタントとしての適性を見極めようとします。

未経験中途がコンサル転職する際に見られる適性#1
論理的思考力

未経験中途がコンサル転職する際に求められる適性の1つ目は、論理的思考力です。コンサルタントにとって、論理的であることはコンサルティングワークを遂行するうえで不可欠な能力です。論理性に欠ける提案は単なる意見に過ぎず、クライアント社内での合意形成やプロジェクトの推進に貢献できません。

書類審査や面接では、話の因果関係を正しく整理できているか、矛盾がないかなどが評価され、候補者の論理性が見極められます。

未経験中途がコンサル転職する際に見られる適性#2
思考体力

2つ目に求められる適性は、思考体力です。コンサルタントが取り組む課題は、クライアントが自力で解決することが困難なために、コンサルティングファームに依頼されたものです。複雑に絡み合う様々な変数を考慮しながら、社内外からのフィードバックを取り入れ、何度も限界まで考え抜くことが求められます。

コンサルティングファームのケース面接では、候補者に答えのないテーマについて考え続けさせることで、思考体力も試されています。

未経験中途がコンサル転職する際に見られる適性#3
思考の柔軟性

3つ目の適性は、思考の柔軟性です。自分の考えに固執する頑固な人はコンサルタントに向いていません。優れたコンサルタントは、自分とは異なる意見が出た際に、客観的にその正しさを判断し、自分の考えが不十分であった場合は速やかにその意見を取り入れ、より優れたアイディアや提案に昇華させることができます。

ケース面接などでは、面接官がディスカッションを通じて候補者に新たな視点を提示したり、矛盾点を指摘したりすることで、候補者が柔軟に意見を取り入れられるかどうかが評価されています。

未経験中途がコンサル転職する際に見られる適性#4
知的好奇心

4つ目の適性は、知的好奇心です。コンサルタントは数か月単位で新たなプロジェクトに参画し、全く異なる業界やテーマに取り組むことも珍しくありません。そのような環境で常に新しい課題やテーマに興味を持って取り組める姿勢は、コンサルタントにとって非常に重要な資質です。

知的好奇心があるからこそ、複雑な問題を理解しようと努め、その裏にある真の課題を見抜くことができるのです。

未経験中途がコンサル転職する際に見られる適性#5
コミュニケーション能力

5つ目は、コミュニケーション能力です。コンサルタントの仕事は、単にパソコンと向き合って調査・分析し、資料を作成するだけではありません。最終的にはクライアントの意思決定を支援し、成果を出すことがミッションなので、調査分析結果や示唆をクライアントに分かりやすく伝え、クライアントを動かしていく必要があります。

また、調査分析においても、クライアントやベンダー、社内の有識者など、様々なステークホルダーと関係性を築き、必要な情報を引き出していく必要があります。

そのため、複雑な事象を分かりやすく相手に伝えられるか、質問の意図を理解して求められていることを端的に伝えられるか、適切なコミュニケーションスタイルで他者と信頼関係を築けるかなど、高度なコミュニケーション能力が求められます。

未経験中途がコンサル転職する際に見られる適性#6
メンタルの強さ

6つ目は、メンタルの強さです。コンサルタントは、日々上司からの厳しいフィードバックを受けたり、クライアントから突然予定していたことをちゃぶ台返しされたり、ベンダーとクライアントの間に挟まれて調整に頭を悩ませたりと、様々な困難に直面します。そのような状況でも、ポジティブに事象をとらえ、プロジェクトを前に進めるために動き続けられるメンタルの強さが非常に重要です。

最近は長時間労働が減少傾向にありますが、プロジェクトの状況によっては避けられないこともあります。仮に深夜に翌朝のMTG資料を一から作成しなければならない状況でも、やり遂げられるメンタルの強さが必要とされます。

未経験中途がコンサル転職する際に見られる適性#7
プロフェッショナルマインド

7つ目は、プロフェッショナルマインドです。コンサルタントはプロとしてクライアントに価値を提供するというマインドセットが求められます。プロフェッショナルマインドがあるからこそ、「これくらいでいいや」で終わりにせずに仕事の質にこだわることができ、常に価値を出そうという意識で一つ一つのミーティングや作業に望むことができます。

たとえプロジェクトで難しい状況になっても簡単に投げ出さず、自分の役割を全うしようとする姿勢や、自分の実力が足りないと感じた際には自ら自己研鑽に励む姿勢が重要です。そのようなプロとしての意識やコミットメントがあるからこそ、クライアントは月に数百万円にも及ぶ高額なフィーを支払ってくれるのです。

未経験中途がコンサル転職する際に見られる適性#8
プロジェクトを成功に導く推進力(主体性)

8つ目は、プロジェクトを成功に導く推進力(主体性)です。コンサルタントは、たとえ1年目であってもプロジェクトを成功に導くために、自ら主体的に考えて行動し、プロジェクトに貢献する必要があります。ファーストアサインのプロジェクトであっても、「自分がこのプロジェクトを推進する」というような強い主体性を持って、前がかりにプロジェクトを推進するような意識が求められます。

未経験中途がコンサル転職する際に見られる適性#9
数字への強さ

9つ目は、数字への強さです。ここでいう「数字への強さ」とは、単に素早く計算ができるという意味だけでなく、数字を見た時に違和感を持てる(単に数字としてとらえるのではなく、その意味を理解したうえで規模感等がおかしい時に、違和感を持てる)能力や、大量の数字データを扱うことになっても嫌にならずにデータと向き合い続けられる数値データ耐性なども含まれます。

未経験中途がコンサル転職する際に見られる適性#10
人としての魅力・チャーミングさ

10つ目は、人としての魅力・チャーミングさです。コンサルタントはクライアントやステークホルダーと良い関係性を築く必要があるため、人としての魅力は非常に重要な資質です。コンサルティング業界では「チャーム」と呼ばれることもありますが、社内的には可愛がられる力があるからこそ、ちょっとできなくても上司から育ててやるかと思ってもらえたりします。

対クライアントという意味でも、「なんか憎めない」「話をしたくなる」という特性があることで、プロジェクトがスムーズに進んだり、新たな案件をもらえたりします。

未経験中途がコンサル転職する際に見られる適性#10
常識・インテグリティ(誠実さ・高潔さ)

最後に、常識とインテグリティ(誠実さ・高潔さ)も重要です。コンサルタントは社会常識を踏まえた見た目や装い、話し方・態度であることが求められます。見た目や話し方など仕事の質とは関係のないところでネガティブなイメージをクライアントからもたれることは避けなければなりません。そのような社会常識を理解して適切に行動できることは必須の資質です。

またインテグリティも重視されています。コンサルティングファームでは情報漏洩やハラスメントなどの事故が発生してきた経緯から、そういった事象に対して極めてセンシティブになっています。いつでも誠実に正々堂々と振る舞い、規律違反などをしないことも、コンサルタントとして重要な資質と言えるでしょう。

疑問・悩み③
未経験中途でのコンサル転職を成功させるためのポイント・注意点

未経験中途でコンサルティングファームに入社できる人材の特徴がわかったうえで、次に気になるのは「実際に未経験中途でのコンサル転職を成功させるためのポイントや注意点」でしょう。

ここでは以下の2つの観点からポイント・注意点を解説します。

  • 「中途採用試験の突破(内定を獲得する)ために」
  • 「入社後に活躍する(コンサルに転職したことを後悔・失敗しない)ために」

コンサル中途採用試験を突破するために

コンサルの中途採用試験を突破するためのポイント

コンサル中途採用試験を突破するために#1
コンサルティングファーム特有の選考対策を行う

未経験中途でコンサルティングファームから内定を獲得するには、同業界特有の選考対策を入念に行うことが重要です。コンサルティングファームでは、職務経歴書の論理性や明瞭性が重視されるのは当然ながら、ファームによってはWEBテストやケース面接への対策も必須となります。

ケース面接とは?

ケース面接は、候補者の論理的思考力、思考体力、思考の柔軟性、コミュニケーション能力などを見極めるために実施される、コンサルティング業界独自の面接形式です。

「フェルミ推定」と呼ばれる特定の商品・サービスの市場規模や売上などを論理的に推定する課題や、「問題解決ケース」と称されるビジネスや社会課題の解決策を考案する課題が与えられ、限られた面接時間内で検討・発表・質疑応答を行います。

コンサルティング業界未経験者の場合、問題の切り分け方や前提の置き方などに不慣れなため、十分な対策なしに臨むと全く回答できない可能性もあります。書籍やインターネットなどで情報を収集したり、のような元コンサルタントによる模擬面接を提供しているコンサル転職に強いエージェントに相談することをおすすめします。

コンサル中途採用試験を突破するために#2
自分が名前を知っているファームだけでなく、幅広くファームを探す

コンサルティング業界への転職を目指す際、名前を知っているブランド力のある大手コンサルティングファームが候補に挙がるのは自然なことです。しかし、知名度の高いファームのみに絞らず、幅広くコンサルティングファームを探し、自分に合ったファームを見つけることをおすすめします。

限られた数の大手ファームだけに応募しても、内定を獲得できるかは分かりません。また、近年では小規模なブティック系ファームの人気が高まっています。大手ファームが規模拡大に伴い、従来のコンサルティングファーム文化が薄まっている一方で、小規模ファームでは古き良き師弟制が残っており、コンサルタントとしての実力を磨く環境が整っています。さらに、最近では小規模ブティックファームでも大手ファームと同等あるいはそれ以上の年収が提示されるケースも少なくありません。

また、こうした小規模ブティックファームは、大抵、大手ファームで優秀な成績を収めたコンサルタントが立ち上げています。コンサルタントの成長の角度やスピードは、誰と働くかによって大きく左右されるため、あえて小規模なファームを選ぶ人もいます。

いずれにせよ、幅広いファームを検討することで、自分のキャリアの希望や働き方によりマッチするファームが見つかるでしょう。自分で探すのが面倒な場合は、コンサル転職に強いエージェントに相談するのがおすすめです。

入社後活躍するために(コンサル転職を後悔・失敗しないために)

コンサルティングファーム入社後に活躍するためのポイント(後悔や失敗をしないための注意点)

コンサルティングファームへの転職を真の意味で成功させるには、内定獲得だけでなく、入社後の活躍を通じて「コンサルティングファームに転職してよかった」と実感できることが重要です。ここでは、入社後に活躍するために必要な事項という観点から、いくつかのポイントを紹介します。

入社がゴールではなく、コンサルタントとして活躍して、理想のキャリアを実現することが大切

入社後活躍するために(コンサル転職を後悔・失敗しないために)#1
自分の理想の働き方に合ったファームを選ぶ

コンサルティング業界への転職後、全力で仕事に取り組み成果を出すためには、できる限り自分の理想とする働き方に近いファームを選ぶことが重要です。

子育てが大変な時期の方にとっては、勤務時間の融通が利くことや育児支援制度の充実度が重要な判断材料となるでしょう。そうした制度面が整っているのは、主に大手ファームです。

一方で、「コンサルティングファームに在籍中はハードワークを厭わない」、「早い段階から裁量を与えられて難局に立ち向かい、実力を磨きたい」と考える方もいるでしょう。そのような方には、大手よりもブティックファームの方が適しているかもしれません。

自分の理想の働き方や仕事で大切にしたいことを見据え、それに合ったファームを選ぶことで、入社後もギャップやストレスを大きく感じることなく、仕事に集中できるようになります。

入社後活躍するために(コンサル転職を後悔・失敗しないために)#2
入社するファーム、特に所属部門の上司や同僚との相性を重視する

コンサルティングファームで悩んでいる方やメンタルにダメージを受ける方の中には、仕事の大変さを理由に挙げる人もいますが、上司や同僚との関係性・相性の悪さが原因であるケースも少なくありません。

ハイプレッシャーで、社内でのコミュニケーションも多いコンサルティングファームにおいては、上司や同僚との相性が極めて重要です。そのため、入社予定のファームに所属するコンサルタント達の雰囲気やコミュニケーションの取り方が自分に合っているかどうかを入念に確認すべきでしょう。

また、第二新卒でない限り、中途入社の際は所属部門が決まっていることが多いため、所属部門の上司や同僚との相性を見極めることが重要です。中途採用の場合、所属予定の部門の上司や同僚が面接を担当することが多いため、面接官との相性をみると良いでしょう。もし複数の内定を獲得できた場合は、各ファームに、所属予定の部門に在籍する中途入社経験者や若手社員との面談を設定してもらい、話を聞いてみるのも良いかもしれません。

入社後活躍するために(コンサル転職を後悔・失敗しないために)#3
ファーストアサインが勝負

中途入社後、非常に重要なのはファーストアサインでの評価です。所属部門のパートナーやマネージャー等は、中途入社者の印象や優秀さについて、プロジェクトマネージャーに意見を求めることがあります。

中途入社した新人コンサルタントに関する会話

その際、良い評価が広まれば、次のプロジェクトのアサインが決まりやすくなるなど、その後の仕事を続けていく上で非常に有利に働きます。

そのため、ファーストアサインのプロジェクトには全力で取り組むことが重要です。特に、最初の1〜2週間で印象は決まってしまうと言っても過言ではありません。この期間を勝負期間と捉え、とにかく主体的にプロジェクトに取り組み、良い評価を勝ち取ってください。

海外ドラマ「SUITS/スーツ」では、敏腕弁護士ハーヴィー・スペクターが部下に対して「なぜ俺が好きな時間に働けると思う?入社当時、仕事熱心だと(周りや上司に)印象付けたからだ。今では俺が何時に出社しようが誰も俺の能力を疑わない。よく覚えとけ、第一印象が命だ!」と語るシーンがあります。これはまさにその通りで、コンサルティングファームでも最初に良い印象を得ることで、その後ある程度の裁量を持って働けるようになります。とにかく最初の印象が重要であり、しっかりと成果を出して信頼を勝ち取ることが重要です。

入社後活躍するために(コンサル転職を後悔・失敗しないために)#4
入念な準備を行う(準備してもし過ぎることはない)

未経験からコンサルティングファームへ中途転職する場合、準備し過ぎることはありません。入社するまでに可能な限りやれることは全てやっておきましょう。(入社後は一気に忙しくなるため、プロジェクト以外の勉強などをする余裕は恐らくありません。)

入社までにコンサルティングの仕事のイメージを掴むには、書籍を読むのも良い方法です。近年は、コンサルタント向けに仕事で成果を出すためのコツを紹介する本も数多く出版されています。

また、以下のような記事でプロジェクトの流れなどについても把握しておくと良いでしょう。

加えて、PowerPointやExcelのショートカットを活用して、スピーディに資料作成できるようにしておくと、後々必ず役立ちます。新卒コンサルタントは、入社後の研修でみっちりと指導を受け、テスト等も実施して、ショートカットを完璧に覚えた状態でプロジェクトに参加します。中途入社の場合、新卒ほど研修が充実しておらず、期間も短いことが多いため、入社前に自分でも準備しておくことが重要です。

コンサルでは、未経験中途向けの研修・オンボーディング支援はある?

結論から述べると、コンサルティングファームは中途採用者向けの研修プログラムを整備しています。かつては形式的なものに留まっていましたが、近年では2週間から1か月程度の充実した研修プログラムが用意しているファームもあります。これにより、新たに加わったコンサルタントが円滑にキャリアをスタートできるよう支援しています。

※BIG4の中でも、PwCのように1か月間の中途研修を用意しているファームもあれば、中途研修は数日間のみのファームもあるため、「研修がないと不安!」という方は、事前に調べた方が良いでしょう。

さらに、全社的な取り組みに加え、部門レベルでの独自の取り組みも見られます。例えば、中途入社者向けの勉強会の開催や、既存メンバーとのランチミーティングの企画など、新たに入社した中途社員が組織に早期に馴染めるようなオンボーディング支援が実施されています。

コンサル転職体験談(未経験中途)

未経験中途からコンサルティングファームへの転職に成功された方の体験談を紹介します。

疑問・悩み④
未経験からのコンサル転職のメリット

未経験中途でコンサルティングファームに転職するメリットは、大きく3点挙げられます。

  1. どこでも通用するポータルブルなビジネススキルが身につく
  2. 年収1,000万円を目指せる
  3. キャリアの選択肢が拡がる

未経験からのコンサル転職のメリット#1
どこでも通用するポータルブルなビジネススキルが身につく

コンサルタントは「ポータブルスキル」を高いレベルで身につけられるといわれています。一般社団法人 人材サービス産業協議会の定義によると、ポータブルスキルとは「業種や職種が変わっても持ち運べる能力」です。

コンサルタントは、多様なプロジェクトや業界に携わる中で、以下のようなポータブルスキルを高いレベルで習得していきます:

  1. 論理的思考力:複雑な問題を構造化し、効果的に分析する能力
  2. プレゼンテーションスキル:説得力のある資料作成と効果的な発表能力
  3. コミュニケーション能力:様々なステークホルダーとの円滑な意思疎通と合意形成力
  4. プロジェクトマネジメント:期限内に目標を達成するための計画立案と実行力
  5. データ分析力:大量の情報から重要な洞察を導き出す能力
  6. 問題解決力:課題を特定し、創造的な解決策を提案する能力
  7. ビジネス戦略立案:市場分析や自社アセット・競合評価に基づく戦略策定能力
  8. チームワーク:多様なバックグラウンドを持つメンバーと協働する能力

そのため、コンサルティングファームへの転職・勤務を経験することで、様々な業界や職種への転職、起業、新規事業立ち上げなど、幅広いキャリアオプションを持つことができます。

未経験からのコンサル転職のメリット#2
年収1,000万円を目指せる

コンサルティングファームの年収水準は非常に高く、他業界と比べても際立って高いです。入社時の役職や、戦略ファームかどうかによって多少の差異はありますが、概して数年で年収は1,000万円の大台を超えると言えるでしょう。そのため、総合商社や外資系金融など、一部の業界からの転職を除いては、年収アップが期待できます。

未経験からのコンサル転職のメリット#3
キャリアの選択肢が拡がる

コンサルティングファームでコアコンサルスキルや専門性を身につけ、実績を積んでいくことで、キャリアの選択肢を広げることができます。

コンサルタントの次のキャリアステップ、いわゆる「ポストコンサルキャリア」には、以下のような多岐にわたる選択肢があります。

  • 投資銀行やプライベートエクイティファンドへの転身
  • スタートアップ企業の経営層や事業責任者としての活躍
  • 外資系企業(メーカーやIT企業など)での活躍
  • 大手日系企業の経営企画部門や新規事業担当としての活躍
  • 他のコンサルティングファームへの移籍
  • 起業家としての挑戦

また、近年ではフリーランスコンサルタントという働き方を選択する方も増加しており、注目を集めています。

ポストコンサルキャリアやフリーランスコンサルタントについてより詳しく知りたい方は、姉妹サイトの現役コンサル向け総合メディア「CASE SEARCH for コンサル」も是非ご覧ください。

疑問・悩み⑤
未経験からコンサル転職するためのステップ

最後に、未経験中途からのコンサルティングファームへの転職を目指す方に向けて、コンサル転職のステップについて解説します。

STEP
コンサルティング業界を知る

まずはコンサルティング業界について知ることが重要です。コンサルティングファームの種類やコンサルタントの仕事内容、プロジェクトの進め方など、最近の業界動向などについて詳しく調べましょう。

コンサルティング業界について知りたい方は以下の記事が役に立つはずです。

STEP
コンサル転職に強いエージェントに登録する

ンサルティング業界への転職に興味を持ったら、まずは「コンサル転職に強いエージェント」に登録することをおすすめします。コンサル転職の支援実績が豊富なエージェントは、コンサルティング業界の最新の採用動向を踏まえながら、あなたの経歴やスキルに応じて、転職可能性のある求人を紹介してくれます。

また、のように元コンサルタントがエージェントとして働いているところもあるため、コンサルティング業界やファームの特徴、働き方の実態について外からでは分からない情報も教えてくれます。さらに、これらのエージェントは以下のようなサポートを無償で提供します:

  • ファーム別の面接対策資料
  • 応募書類の添削
  • WEBテスト対策支援
  • 元コンサルタントによる模擬面接

加えて、1day選考会などの特別選考ルートを紹介されることもあり、エージェントの活用は転職成功への近道と言えるでしょう。

どのエージェントを利用すればいいか分からない方は、自分の希望ファームやスキルに合ったエージェントが分かる「コンサル転職診断」を利用してみてください。

STEP
応募書類を作成・提出する

志望するファームが決まったら、履歴書と職務経歴書を作成します。コンサルティングファームの書類選考では、論理性と明瞭さが極めて重要です。転職エージェントを利用する場合は、書類の添削をお願いすることができます。

また、複数のコンサルティングファームに応募する場合、同じタイミングで内定が出揃うように調整することが重要です。というのも、内定が出たら基本的には1週間以内に返事をする必要があるため、同じタイミングで内定が出揃わないと比較して判断することができないからです。これについても、転職エージェントを利用する場合は、エージェント側で内定タイミングが揃うように書類の提出タイミングなどを調整してくれます。

STEP
WEBテストを受ける

ファームによってはWEBテストを実施して、能力や性格面の適性を確認します。油断は禁物です。書籍などを活用し、十分な対策を講じましょう。

STEP
面接を受ける

コンサルティングファームの中途採用では2~3回程度の面接が行われることが多いです。最初の面談はマネージャーで、次はシニアマネージャーやディレクター、最後はパートナーと順に上位の役職者との面接が進みます。ファームによってはケース面接が行われるため、事前にしっかりと対策をしておくことが大切です。可能であれば、MyVisionのような元コンサルタントが面接対策してくれるエージェントを活用しましょう。

STEP
内定・条件を調整する

内定を獲得できた暁には、給与や入社時期の調整に入ります。エージェントを利用している場合、候補者の経験とスキルに見合った、最適な条件を引き出すべく交渉してくれます。

STEP
入社準備を行う

入社が確定したら、現職の退職手続きを滞りなく進め、入社の準備を進めましょう。前述したとおり、未経験中途でのコンサル転職においては、準備してもし過ぎることはないので、出来ることはすべてやっておきましょう。

コンサル転職ではエージェント活用がおすすめ

コンサル転職を成功させるには、自分に合ったファームを見つけ、しっかりと選考対策を行うことが鍵となります。そういった意味で、コンサル転職に強いエージェントを活用するのは非常に効率的です。無料でコンサルティングファームの求人紹介から選考対策、条件交渉まですべて依頼することができるので、是非利用してみてください。

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