POD(Professionals On Demand)は、10年超の実績を誇るフリーコンサル向け案件紹介サービスです。大手コンサルティングファーム出身者や豊富なPMO経験を持つハイクラス人材と、戦略立案からIT PMOまで幅広い領域の高単価案件とのマッチングに強みを持っています。
本記事では、フリーコンサル黎明期の2010年代初頭からサービスを運営するPODの特徴やフリーコンサル市場に対する見通しについて、インタビューした内容をまとめています。
ハイクラス人材と優良案件を結ぶ10年以上の実績
―「POD(Professionals On Demand)」の強みを教えてください。
PODは、フリーコンサル向けの案件紹介サービスとして10年以上の運営実績があり、長年にわたって多岐にわたる事業会社やコンサルティングファームとの信頼関係を築いてきました。その結果、質の高いコンサルティング案件を豊富に集めることが可能となっています。
さらに、PODに登録しているコンサルタントは、大手コンサルティングファーム出身者や事業会社で新規事業を担当していた経験を持つ方など、比較的ハイクラスなスキルセットを持つ方々が多数在籍しています。そのため、クライアントからの高い評価を得ており、優良な案件が継続的に集まるという好循環が生まれています。これがPODの大きな強みです。
―登録しているコンサルタントの方はどのような方が多いですか?
PODの登録者数は現在10,000名を超えており、その中でも特に40代の方が多く在籍しています。もちろん、20代などの若手コンサルタントも在籍していますが、PODが取り扱う案件は比較的ハイクラスなものが多いため、主に30~50代の経験豊富な方々とのマッチングが中心となっています。
登録者の年齢層が比較的高いことから、コンサルティングファーム在籍時の役職もマネージャー以上の方が主体となっています。また、コンサルティングファームから事業会社へ転職し、新規事業の開発や企画に携わった経験を持つ方にも多く登録いただいています。
もちろん、リサーチ案件のような実務的な案件もあるため、コンサルティングファームでジュニアだった方へのご紹介も可能です。
\ 上場企業運営・10年以上の運営実績!/
戦略案件に強みがある一方で、最近はPMO案件が急増
―紹介している案件の特徴を教えてください。
PODの特徴として、もともと戦略領域の案件に強みを持っていることが挙げられます。過去には、サービスとしてドリーム・インキュベーター(DI)社の傘下にあったこともあり、そういった背景から戦略案件に強いという特徴があります。
一方で、現在はランサーズが運営するサービスとなっており、IT系の案件をはじめ、より幅広い領域の案件を取り扱うようになっています。特に近年では、PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)案件の取り扱いが増加しており、戦略案件だけでなく、IT関連の案件紹介にも強いサービスになってきています。
PMO案件の内容は多岐にわたりますが、特にSAPやServiceNowといったパッケージソフトウェアやSaaSの導入に関するPMO案件が大幅に増加しています。また、サプライチェーンマネジメント(SCM)や経営管理などの業務改善系プロジェクトのPMO案件も多数取り扱っています。
事業会社直請け案件が多いことも特徴。
結果として、120万円以上の高単価な案件が中心
―案件としては事業会社直請けとコンサルファームアンダーの案件のどちらが多いですか?
契約実績で見ると、事業会社からの直請け案件とコンサルティングファームからのアンダー案件は、ほぼ半々の割合となっています。他のエージェントと比較しても、事業会社からの直請け案件の多さは、PODの強みの一つだと考えています。
事業会社からの直請け案件については、長年にわたってお付き合いのある大手企業様から多くの案件をいただいています。コンサルティングファームアンダーの案件についても、比較的大手のファーム様からの案件が中心となっています。
―案件の単価はどのくらいですか?
PODで扱っている案件の月額単価は120万~200万が中心です。もちろん、200万円を超える高単価案件もあり、過去には280万円という高単価案件の実績もあります。 案件の稼働率については、80%~100%程度のしっかりと入り込んでいただく案件が多数を占めていますが、50%以下の案件も存在します。
―200万円超えの高単価案件となると、大規模なPMO案件が中心となるイメージです。
そうですね、大規模なPMO案件の場合は、200万円を超える案件も少なくありません。手元で現在の200万円超え案件をみたところ、例えばECサイトの統合プロジェクトなどが挙げられます。
一方で、PODの場合、戦略策定の案件においても200万円を超える高単価案件が存在します。PODは、10年以上にわたって戦略系に強いコンサルタントが多数登録しているサービスとして運営・ブランディングしてきました。そのため、クライアントからも高単価で重要な戦略案件を依頼されることが多いのだと考えています。
―取り扱い案件の勤務形態はいかがでしょうか?
最近は出社を求める案件が増加傾向にありますが、ハイブリッド案件も一定数存在します。割合で見ると、フル出社案件が全体の5割、ハイブリッド案件が3割、フルリモート案件が2割程度となっています。
―契約期間についていかがでしょうか?
初回の契約期間としては、6か月未満の案件が全体の約7割を占めており、1か月などの短期案件も存在します。一方で、契約実績として1年以上継続している方も多数いるため、初回の契約期間が短くても、継続につながるケースはよくあります。特にPMO案件などは継続しやすい傾向があるため、1年以上続いている方も比較的多く見受けられます。
\ 上場企業運営・10年以上の運営実績!/
登録人材・案件の質にこだわってきたからこそ、高いマッチング率を実現
―PODの特徴としてマッチング率の高さを挙げられていると思いますが、なぜ高いマッチング率を実現できていますか?
PODが高いマッチング率を実現できている理由は、ハイクラスなフリーランスコンサルタントの方々を集め、彼らの希望する内容や単価感に合致した案件を集められているからだと考えています。10年以上の運営実績の中で、コンサルタントとクライアントの双方に対して「ハイクラスなフリーコンサル案件紹介プラットフォーム」というブランドのポジショニングを確立してきました。これにより、マッチングのサイクルが上手く機能していると言えます。
―PODではフリーランスコンサルタント同士の交流やネットワーキングを支援するようなこともやっていますか?
PODでは、フリーランスコンサルタントの方々を集めた交流会を定期的に開催しています。PODの運営主体であるランサーズ自体が、フリーランスを対象としたイベントの企画を数多く手がけていることもあり、今後はフリーランスコンサルタント向けのイベントの開催頻度をさらに高めていきたいと考えています。 これからフリーコンサルタントとして独立することを検討している方にとって、このような交流会は不安を解消し、情報交換を行う良い機会になると思います。
独立の目的を明確化することが重要
―フリーコンサルには様々なメリットがある一方で、独立する際に注意すべき点があれば教えてください。
フリーコンサルタントとして独立する際は、独立の目的をしっかりと定めておくことが重要だと考えています。収入の増加やワークライフバランスの改善を理由に独立するのも良いでしょう。しかし、現実には「50代以上の方はNG」といったような案件も少なくありません。このような状況を考えると、フリーランスコンサルタントを生涯続けていくのは難しい面もあるのが事実です。
そのため、最終的には自分でサービスやプロダクトを作ることを目指し、そこに至るまでの資金繰りとしてフリーコンサルタントとして活動する、といったように、独立後の中長期的なプランを考えておくことが重要です。独立の目的を明確にし、将来的なキャリアの方向性を見据えることで、フリーコンサルタントとしての活動をより戦略的に進めていくことができるでしょう。
―フリーコンサルとして長く活躍するうえで重要なことがあれば教えてください。
フリーコンサルタントとして長く活躍するうえで、会社員時代のバックグラウンドや実績は非常に重要だと考えています。フリーランスの方を初めて評価する際、まず参考にするのは経歴や実績です。そのため、独立前にどのような会社に勤務し、どのような成果を残してきたかというトラックレコードが、結局のところ最も重要な要素になります。
また、プロジェクト経験という観点では、チームでどのような成果を上げてきたかを具体的に話せる方が、より評価されやすいと感じています。もちろん、1人で手を動かしてプロジェクトを進めるような案件もありますが、PODで扱う案件の多くは、チームをまとめ上げてリードしていくような役割が求められます。そのため、マネジメントレイヤーを経験していたり、少なくともプロジェクトの一部をリードした経験がある方は、ご紹介できる案件の幅が広がります。
\ 上場企業運営・10年以上の運営実績!/
多様化するキャリア:フリーランスと会社員の往来
―フリーコンサルとして独立する方も増えていく中で、中長期な視点でキャリア形成していく上で、持つべき戦略などはありますか?
PODの運営元であるランサーズでは、最近「フリーランス転職」を提供開始しました。今後は、フリーランスから再び会社員に戻るというキャリアを歩む方も増えてくると予想しています。フリーランスのデメリットの一つとして、インプットが少なくなり、アウトプットに偏りがちになることが挙げられます。そのような状況の中で、5~10年ほどフリーランスとして活動した後、インプットが少し足りないと感じた時点で、再度会社員に戻るという選択肢を考えるのは自然です。そして、将来的にはまたフリーランスに戻るというように、フリーランスと会社員を行き来するキャリアパスは、今後一般的になっていくのではないかと考えています。
現状では、このようなキャリアを歩む実績はエンジニアの方々に見られますが、コンサルタントの方々の間でも、こういったキャリアのケースが増えてくるでしょう。フリーコンサルタントとしてのキャリア形成において、長期的な視点を持ち、フリーランスと会社員を柔軟に行き来することを選択肢の一つとして考えておくことも重要だと言えます。
フリーコンサル案件は増加中。安心して独立できる環境は整ってきている
―フリーコンサル市場の将来性についてはどのように見ていますか?
生成AIの台頭により、リサーチなどの実務的な作業を中心とする案件は今後減少していくと予想しています。一方で、プロジェクト全体をどのようにマネジメントしていくかという仕事の価値は、より高まっていくのではないかと考えています。
また、フリーコンサルタント案件の数自体は増加傾向にあります。これまで事業会社がコンサルティングファームに発注していた案件を、フリーランスコンサルタントの方々に依頼するようになってきています。今後も企業の外部人材活用はさらに広がっていくと予想されるため、フリーコンサルタント案件の数は年々増加していくでしょう。
―最後にフリーコンサルとして独立するか悩んでいる方や現役フリーコンサルの方向けに、何かメッセージをいただけますか?
コンサルタントの方がフリーランスになることは、現在では一般的な選択肢の一つになってきていると感じています。大手のコンサルティングファームなどを辞めてフリーランスになることに不安を感じている方も、一歩踏み出せば、市場における案件数自体が増加傾向にあり、PODのようなマッチングサービスも増えてきているため、安心して活動できる環境が整ってきています。
そういう意味では、自信を持って、フリーコンサルとして独立するという選択肢を持って良いのではないかと思います。