【完全ガイド】フリーコンサルの始め方や案件獲得のポイントを徹底解説
最近人気のある「フリーランスコンサルタント」という新たなキャリアパスに興味がありながらも、
その実態や始め方がよく分からずに悩んでいませんか?
実際、コンサルティングファーム出身者を中心に、フリーランスコンサルタントへ転身し、
理想の働き方や高い報酬を手に入れている人は少なくありません。
ただし、フリーランスコンサルタントとしての成功を掴むためには、
その実態を正しく理解し、適切かつ効率的なスタートダッシュを切ることが重要です。
本記事では、フリーランスコンサルタントの実態や始め方に加えて、
案件獲得におけるポイントやおすすめの案件仲介サービスなど、
フリーランスコンサルタントとして成功するために知っておくべきポイントを網羅的に解説します。
- コンサルティングファームに務める現役コンサルタントで、
フリーランスコンサルタントを次のキャリアとして検討している方 - コンサルティングファーム出身の起業家で、
安定的な収入源としてフリーランスコンサルタントの案件受託を考えている方 - コンサルティングファームへの所属経験は無いものの、経験やスキルに自信があり、
フリーランスコンサルタントに興味がある方
- 最初に複数の案件仲介サービス(目安は5個以上)に登録し、実際に紹介される案件情報を確認しながら、自分にあったサービスを見つけることが重要。
特に、自分の得意な領域の「プライム案件」を豊富に抱えるサービスを見つけることがポイント
おすすめの案件紹介サービスをみる - 案件を選ぶ際は、案件内容(テーマや期間、体制、発注者情報)と条件面(稼働率、リモートワーク可否、勤務地、出社頻度、単価)を確認し、自分の状況にあった案件を選ぶことが重要。
自分一人でのクライアントコントロールに不安を感じる方は「発注者がコンサルティングファーム」の案件を選ぶことがポイント
フリーランスコンサルタントの始め方を詳しくみる
おすすめの案件仲介・マッチングサービス
国内57のフリーコンサル向けの案件仲介・マッチングサービスを徹底紹介。自身に合ったサービスを探している方は「【戦略・業務/IT/SAP/人事】フリーコンサル向けの案件仲介・マッチングサービスのおすすめを厳選」も合わせてご覧ください。
フリーランスコンサルタントとは
フリーランスコンサルタントとは、コンサルティングファームに所属することなく、独立した個人としてコンサルティングサービスを提供するプロフェッショナル人材を指します。
国内のコンサルティング業界は、DX支援を中心としたコンサルティングニーズの高まりを背景に、Big4(Deloitte、EY、KPMG、PwC)やアクセンチュアなどの大手ファームが市場拡大をけん引しており、市場規模は2021年の5,724億円から2026年には8,732億円まで増加すると予測されています*。
*出典:IDC Japanプレスリリース「国内 ビジネス コンサルティング 市場予測を発表」(2022 年 5 月 23 日)
市場の拡大に伴い、国内の事業会社におけるコンサルティングサービスの活用が普及する中、事業会社側から「コストを抑えるために、チームでの支援ではなく、知見のあるコンサルタント一人に支援をお願いしたい」「短期間でのスポット的な支援をしてほしい」などのニーズが生まれてきました。
また、コンサルティングファーム側でも、旺盛な案件の引き合いに対して必要なスキルや知見を持つ人材が不足している状況から、特にブティックファームを中心に「フリーランスのコンサルタントにプロジェクトメンバーとして参画してほしい」というニーズが高まってきました。
こうした事業会社やコンサルティングファームのニーズに対して、フリーランスとして働くコンサルタントと事業会社・コンサルティングファームをマッチングする案件仲介サービスが登場・普及したことにより、フリーランスコンサルタントという働き方が急激に浸透してきています。
フリーランスコンサルタントに必要なスキルや経験
コアコンサルスキルを身につけた大手ファーム出身者が中心
フリーランスコンサルタントとして活躍するには、基本的なコンサルティングスキルが必要不可欠です。
基本的なコンサルティングスキルとは、会議のファシリテーション、プレゼンテーション、インタビュー、ドキュメンテーション(ExcelやPowerPointなど)、リサーチ、プロジェクトマネジメントなど、いわゆるコアコンサルスキルと呼ばれるものを指します。
実際、フリーランスコンサルタントの多くは、コアコンサルスキルを身につけたコンサルティングファーム出身者です。具体的には、以下のようなコンサルティングファームの出身者が、フリーランスコンサルタントとして活躍しています。フリーランスコンサルタントはサービス品質が分かりづらいため、一定の信頼性が担保された大手コンサルティングファームの出身者が多くなっています。
<フリーランスコンサルタントとして活躍している方の出身ファーム例>
戦略コンサルティングファーム | McKinsey & Company BCG (Boston Consulting Group) Bain & Company A.T. Kearney Roland Berger Dream Incubator CDI (Corporate Directions, Inc.) |
総合コンサルティングファーム | Accenture Deloitte PwC Ernst & Young KPMG Consulting Abeam Consulting |
IT系コンサルティングファーム・総研 | IBM BayCurrent NTT DATA QUNIE Capgemini Skylight Consulting Future Architect シグマクシス 日立コンサルティング NRI 船井総研 三菱総研 |
ブティック系コンサルティングファーム | YCP Solidance Revamp Field Management タワーズワトソン マーサー・ジャパン |
また、フリーランスコンサルタントには一定の専門性が求められます。
チームでのデリバリーが基本であるコンサルティングファームとは異なり、フリーランスコンサルタントは、単独で案件に参画することがあります。
そのため、チームで専門性を補完できるファームとは違い、フリーランスコンサルタント自身が業界・業務知識やソリューション知見などの専門性を一定レベル持っていることが重要です。そのため、フリーランスコンサルタントへの転身を考えている方は、日頃から業界知識や最新のソリューション情報をキャッチアップし、専門性を高めておくことをおすすめします。
深い専門性や実務能力が求められる案件では
非コンサル出身者にもチャンスがある
もちろん、SIerや外資系SaaS、大手事業会社などの出身者でもフリーランスコンサルタントとして活躍している方はいます。特に、深い業界知識が重視される案件や実務能力が求められる伴走型の案件では、事業会社出身の方が有利な場合もあります。まずは案件仲介サービスなどを利用して、自分の経験やスキルが活かせる案件を探してみることをおすすめします。
フリーランスコンサルタントの案件内容
フリーランスコンサルタントが参画する案件は、コンサルティングファームの案件と大きく異なるものではありません。コンサルティングファームで培った経験やスキルを活かし、クライアントに十分な価値を提供することが可能です。
具体的には、各領域で以下のような案件にフリーランスコンサルタントが参画しています。
(各タブをクリックして表示)
中期経営計画の策定、新規事業の事業戦略立案、マーケティング・販売戦略や組織戦略の策定、ファンド向けの事業デューデリジェンスなど、戦略の策定を行う案件
案件例①【中期経営計画策定支援】
単価:120-150万円/月
期間:1~3か月
大手B2Cサービス事業者の中期経営計画を、マクロ環境や顧客ニーズ調査をもとに策定
案件例②【新規事業戦略策定プロジェクト支援】
単価:160万円-200万/月
期間:2~3か月
大手インフラ企業が企画する新規事業について、顧客ニーズや技術トレンド、競争環境等を調査し、戦略を策定
※単価は100%稼働時の月額報酬金額
出所)フリーランスコンサルタント向けの案件紹介サービス十数社の公開情報をもとに作成
フリーランスコンサルタントになるメリット
ファームにいた時よりも高い報酬を得られる
大手コンサルティングファームのコンサルタントランクの場合、クライアントに請求する月単価は200万円~300万円程度であることが多いです。一方で、コンサルタントが毎月給与として受け取る金額は40~50万円程度です。
フリーランスコンサルタントになると、月単価がやや下がることや案件仲介サービスへの仲介手数料(15~20%程度)の支払いを考慮しても、ファームに勤めていた際の給与よりも高い報酬を得られます。具体的には、100万円~150万円が月額報酬のボリュームゾーンとなっています。仮に月単価150万円で年間12か月稼働した場合、年収は1800万円です。
また、案件の領域や役割・ポジション(マネジャーorメンバー)によって単価は異なるため、中には月額報酬が200~300万円に達する方もいます。
ワークライフバランスを実現しやすい
フリーランスコンサルタントは、自分自身で案件を選択できるため、稼働率や働き方を調整することでワークライフバランスを実現しやすいというメリットがあります。
コンサルティングファームに勤めていると、稼働率がチームや個人の評価基準に含まれていることが多く、プライベートに時間を割くために稼働率を下げることは難しい場合があります。また、突発的に他の案件のサポートを依頼されることもあり、急に業務負荷が高くなることもよくあります。
一方、フリーランスコンサルタントは、週1~3日の稼働となる20~50%程度の低稼働案件を選ぶことが可能です。また、1年間のうち半年働いて、残りの半年はプライベートや別のビジネスに時間を使うといった働き方も実現できます。
もちろん、プロジェクトで問題が発生した場合には、一時的に負荷が高まることもあります。しかし、2023年に可決されたフリーランス新法など、フリーランスの労働環境を整備する法整備が進んでおり、フリーランスコンサルタントであるがゆえの不当な扱いや要求は少なくなっています。そのため、ワークライフバランスは実現しやすくなっているといえるでしょう。
案件テーマを自分で選べる
フリーランスコンサルタントには、案件テーマを自分で選べるというメリットがあります。これにより、特定の領域の案件に集中的に参画し専門性を伸ばすことや、経験のない領域の案件に挑戦し経験の幅を広げることが可能です。
コンサルティングファームでは、会社全体として稼働率と収益性を高める必要があるため、コンサルタント個人の希望は一定程度考慮されつつも、最終的には案件の引き合い状況によって参画案件が決定されます。
そのため、キャリアの方向性について明確な希望がある場合は、フリーランスコンサルタントになって、自分の意思で案件を選んでいくという選択肢も考えられます。
社内業務がなくなり、案件に集中できる
コンサルティングファームに勤めている場合、他案件の提案やデリバリー支援、セミナー資料やホワイトペーパー作成、研修や採用活動への協力など、社内向けの業務が定期的に発生します。こうした活動は、自身の経験や社内人脈を広げられる側面がある一方で、担当案件のデリバリーに集中したい方もいるでしょう。
フリーランスコンサルタントになると、社内業務がなくなるため、参画している案件のデリバリーのみに集中できるようになります。
ファームでは経験できない案件機会もある
大手コンサルティングファームでは、プロジェクトの金額が数千万円規模になることが一般的であり、クライアントの多くは大企業となります。
一方、フリーランスコンサルタント向けの案件では、コンサルタントが単独で参画する低価格なプロジェクトも組成可能なため、中堅・中小企業がクライアントとなることもあります。このような案件では、「ドキュメンテーションや報告よりも、現場に深く入り込んで実際に業務を変革することが求められる」、「経営陣と非常に近い距離で会社の様々な論点について議論できる」など、コンサルティングファームでは経験できなかった案件もあります。これにより、自身のスキルや経験を広げられる可能性があるでしょう。
フリーランスコンサルタントになるデメリット
案件がない時や稼働できない時に収入が無くなる
コンサルティングファームに勤めている場合、案件に参画していなくても毎月の給与は保証されています。一方、フリーランスコンサルタントになると、案件がない期間は収入がゼロになるというデメリットがあります。この問題に対処するには、複数の案件仲介サービスに登録するなど、案件が途切れないよう工夫することが大切です。
また、会社員とは異なり、フリーランスには労災保険や傷病手当金の補償がありません。そのため、病気や怪我などで働けない場合も収入がゼロになってしまいます。最近では、フリーランス向けの保険商品も登場しているので、不安を感じる方は保険の契約を検討してみるのも良いでしょう。
経費管理・確定申告を自分で実施する必要がある
フリーランスコンサルタントになると、書籍購入費や交通費などの日々の経費管理を自分で行う必要があります。コンサルティングファームに勤めている際は、マネジャー以上の方はプロジェクト経費の管理を担当していても、仕訳などの経理業務はコーポレート部門の担当者が処理してくれていたでしょう。
フリーランスコンサルタントは、日々の経費管理や請求書の発行などを自ら行う必要があり、年度末には確定申告も必要です。近年は安価で利用できるクラウド会計ソフトもあり、効率的に経費管理や確定申告を行うことができます。このようなバックオフィス業務に時間をかけたくない方は、クラウド会計ソフトの利用を検討してみるのも良いでしょう。
フリーランスコンサルタントの始め方
フリーランスコンサルタントを始めるためのステップは次の流れとなります。
1. 個人事業主として開業(または法人設立)
フリーランスコンサルタントを始めるにあたり、まず個人事業主として開業する必要があります。所得税法により、「事業所得を得ている場合は、原則事業開始から1か月以内に開業届を提出すること」が義務づけられているためです。ただし、実は開業届を提出しなかったからといって罰則があるわけではなく、個人事業主として開業せずに活動することも可能です。
しかし、開業の手続きには費用も不要で、開業によって青色申告が可能になるなどの税制メリットもあるため、収入が高くなる傾向のあるフリーランスコンサルタントが開業しない理由はありません。また、小さな子供がいる場合は、個人事業主として開業することで、保育園への提出が必要な就労証明書も作成できるようになります。
開業届の提出は、税務署の窓口に書類を持参する方法、書類を郵送する方法、オンラインで提出する方法の3つがあります。最近はfreee社やマネーフォワード社などが提供している無料のオンライン開業届けツールを利用すると簡単に行えるため、オンラインでの開業届け提出をお勧めします。
なお、個人事業主としての開業ではなく、法人を設立することもできます。ただし、法人設立には設立費用や手間がかかるため、まずは個人事業主として開業し、法人化するメリットが大きくなってきた段階で、法人設立する方法をおすすめします。
2. 案件仲介サービスへの登録
フリーランスコンサルタントとして活動していくためには、案件を獲得する必要があります。事業会社の役員や管理職との人脈があり、直接引き合いをもらえるのであれば、自分で案件を開拓していくことができるでしょう。
最近は、コンサルティングファームから独立する際に、ファーム側と交渉し、フリーランスコンサルタントとして独立しつつ、引き続きそのファームの案件に参画するという方法を取る方もいるようです。特に自分で案件を抱えているマネジャー以上の方は、そのような形が可能かどうか確認してみても良いかもしれません。
一方で、多くのフリーランスコンサルタントは、自分で新たに案件を開拓していく必要がありますが、直接引き合いをもらえるほど人脈が豊富ではないでしょう。また、自分で直接案件を取れるような関係性のクライアントがいたとしても、クライアント側の事情や景気動向によって、案件が獲得できなくなることも考えられます。
そのため、フリーランスコンサルタントを始める際は、案件仲介サービスに登録することをおすすめします。案件仲介サービスは、事業会社やコンサルティングファームなどの発注側とフリーランスコンサルタントの間に立ち、案件のマッチングやトラブル時のサポートなどを行うサービスで、近年数多くのサービスが立ち上げられています。
フリーランスコンサルタントは複数の案件仲介サービスに登録すべき
案件仲介サービスに登録する際は、同時に複数のサービス(目安は5つ以上)に登録することをおすすめします。その理由は、実際に紹介される案件情報を確認しながら、自分の得意な領域の”プライム案件”を豊富に抱えるサービスを見つけることが重要だからです。
案件仲介サービスに登録すると、マイページやメールなどで様々な案件情報が届きます。送られてくる案件の内容や期待される役割、案件の期間や稼働率、働き方などを見ることで、自分に合った案件を多く抱えているサービスが分かってくるのです。
また、案件仲介サービスは、発注者とフリーランスコンサルタントのマッチングが成立すると収益が発生するビジネスモデルのため、案件情報を事業者間で共有しています。例えば、A社が事業会社から直接引き合いをもらった案件について、自社のデータベースに適切な人材がいない場合、B社やC社に案件情報を共有します。B社が登録しているフリーランスコンサルタントに2次請け案件として紹介し、マッチングが成立した場合、A社・B社が仲介マージンを受け取った上で、フリーランスコンサルタントに報酬が支払われます。商流がより深まると、このマージンは拡大し、フリーランスコンサルタントが受け取れる報酬は少なくなっていきます。
そのため、フリーランスコンサルタントは、自分に合った案件を事業会社から直接請けてプライム案件(1次請け案件)として紹介してくれる案件仲介サービスを探すことが重要です。複数のサービスに登録していると、同じ案件が複数のサービスから紹介されるものの、単価が異なることに気づくことができ、自分が利用すべきサービスが分かるため、最初に複数のサービスに登録することが大切なのです。
職務経歴書には徹底的にこだわる
案件仲介サービスに登録する際、自身の職務経歴書の提出が求められます。適切な案件を紹介してもらうためには、職務経歴書でしっかりと自身のスキルや経験を伝えることが重要です。
また、案件仲介サービスの仲介エージェントが、フリーランスコンサルタントの許可を得た上で、個人情報をマスキングした職務経歴書を発注側の事業会社やコンサルティングファームに紹介し、案件ニーズを掘り起こすこともあります。そのため、自身の経験をしっかりとアピールすべきです。
職務経歴や強み、プロジェクト実績(プロジェクト概要、期間と体制、自身の役割など)を詳細に記載した職務経歴書を用意しましょう。
職務経歴書のサンプルをご用意しましたので、是非参考にしてみてください。(画像はクリックすると拡大されます)
3. 仲介エージェントとの面談
案件仲介サービスに登録した後、最初に仲介エージェントとの面談が行われます。面談では、職務経歴書に記載した経験やスキルについての質問や、希望の案件情報(稼働率や出勤可否、最低単価、英語対応可否など)の確認が行われます。
エージェントによっては、面談の場で案件の紹介があることもあります。自身にあった案件があれば、とりあえず応募してみるのも一つの選択肢です。
一方で、まずは複数の案件仲介サービスとの面談をまとめて行い、紹介される案件情報が出揃ってから、最も自分にあった案件を選ぶという進め方もおすすめです。
4. 案件選び・応募
自分の経験やスキルを活かせそうで、各種条件も自身の希望に近い案件を探しましょう。コンサルティングファームでの提案活動でもよくあるように、クライアント側内部の調整などに時間がかかり、すぐに案件が始まらないこともあります。また、発注者側は複数のフリーランスコンサルタントと面談を行った上で、どのコンサルタントに発注するかを決めることが多いため、紹介された案件を必ず受注できるとは限りません。そのため、複数の案件への応募を同時に進めることをおすすめします。
応募する案件を選ぶ際には、以下の案件内容と条件面を確認することが重要です。
<案件内容>
- 案件のテーマ・概要
- 期間
- 体制
- 発注者(事業会社orコンサルティングファーム)
- 発注者のフリーランスコンサルタント活用経験の有無
<条件面>
- 稼働率
- リモートワーク可否
- (出社の場合)勤務地
- (出社の場合)出社頻度
- 単価
- 必要言語(英語など)
発注者が誰かは、案件選びにおいて重要なポイントです。事業会社が発注者の場合、フリーランスコンサルタントが単独で案件に参画することになるため、クライアントとのスコープ調整や期待値のすり合わせなどを一人で行う必要があります。プロジェクトマネジメント経験が豊富でなく、クライアントコントロールに不安がある場合は、発注者がコンサルティングファームの案件を選ぶことをおすすめします。この場合、コンサルティングファームのメンバーとして案件に参画するため、周囲の協力を得ることができます。
また、案件紹介サービス事業者の中には、事業者自身でコンサルティングサービスを提供している場合があります。案件紹介サービス事業者がデリバリーする案件に参画するケースでは、より安心感を持って取り組むことができるでしょう。
5. 発注者(クライアント)との面談
案件に応募した後、発注者(クライアント)との面談が行われます。この面談には、発注者側の担当者、仲介エージェント、そしてフリーランスコンサルタントが参加し、主にオンラインで実施されます。
フリーランスコンサルタントとして信頼を得るためには、第一印象が非常に重要です。面談には時間厳守で臨み、身なりを整え、積極的に発言することを心がけましょう。また、事前にクライアントや案件の情報が共有されている場合は、あらかじめウェブなどで調べ、知識をアップデートしておくことも大切です。
また、自身の経験・スキルをアピールすることに加え、クライアントの課題感や期待、業務のスコープについて入念にすり合わせを行うことが重要です。
6. 承諾・契約
面談後、仲介エージェントを通じて発注者の意向が伝えられます。案件への参画依頼を受け取った場合、フリーランスコンサルタントは案件を受けるかどうかを判断します。案件を受ける場合は、契約の手続きに進みます。
案件仲介サービスを利用する場合、契約は案件仲介サービスと業務委託契約を結ぶ形になります。コンサルティングファームに勤務していた際は、通常、法務部にチェックを依頼していましたが、フリーランスコンサルタントは自分で契約内容を確認しなければなりません。業務委託契約では、損害賠償範囲についての記述など、いくつか注意すべき点があります。そのため、自身でしっかりと調べるか、弁護士などの専門家に確認を依頼することをおすすめします。
7. 稼働開始
案件が開始したら、コンサルタントとして主体的に関わり、クライアントに確かな価値を提供することを意識しましょう。デリバリーを進める中で、スコープ調整や働き方などの悩みが生じた場合は、仲介エージェントに相談するのが良いでしょう。
8. 業務報告・請求
案件に参画すると、業務委託契約先である案件仲介サービスに対して、定期的に業務報告を行うのが一般的です。報告は、案件仲介サービスが提供するエクセルなどの報告フォーマットに従って行います。
また、案件仲介サービスの事業者に対して、毎月月末に請求書を送付します。サービス事業者によっては、クラウドサービスを利用することで、簡単に業務報告の実施や請求書の発行ができるようになっています。実施方法については、サービス事業者に確認しましょう。
案件仲介サービスの選び方
自分の得意な領域の”プライム案件”を持っているか?
案件仲介サービスから紹介される案件情報を見ていくことで、自分が得意とする領域・テーマの案件を発注者から直接受注しているサービスを見つけることができます。適切な単価で案件を獲得するうえで、これは最も重要なポイントといえます。
エージェントの対応品質
案件仲介サービスに登録し、エージェントとの面談やコミュニケーションを重ねていく中で、エージェントの対応品質の違いが明らかになってきます。自分に合った案件をしっかりと紹介してくれるか、デリバリー中に問題が起こった際に頼りになりそうかなど、仲介エージェントの対応品質もサービス選びの重要なポイントです。
支払いサイト
フリーランスコンサルタントの報酬の支払いサイトは、通常、月末締めの翌月末払いや翌月10日払いが多く、30日~40日が基本となっています。一方で、FREENANCEなどのサービスと提携し、即日払いが可能となっている案件仲介サービスもあります。通常よりも早い支払いを希望する場合は、そのようなサービスの利用を検討しましょう。
おすすめの案件仲介サービス
自分に合った案件を見つけるには、「自分に合った案件を紹介してもらうこと」と「紹介してもらえる案件量を確保すること」の2点が重要です。
そのため、「自分の得意領域に強い案件仲介サービス」と「保有する案件量の多い大手案件仲介サービス」を少なくともそれぞれ2~3社程度登録することをおすすめします。
「フリーランスコンサルタントの始め方」の章で述べたように、自分の得意な領域の”プライム案件”を豊富に抱えるサービスを見つけるためには、最初に複数のサービスに登録し、実際の案件情報を確認しながら、自分に合ったサービスを探すことが重要です。どうしても複数のサービスに登録したくない場合は、各案件仲介サービスの発注者向けのウェブページを確認しましょう。発注者向けのページでは、領域別の案件実績や事例紹介などを通じて、サービス事業者の強みがある領域がある程度把握できます。
【戦略・業務領域】おすすめの案件仲介サービス
戦略・業務領域が得意な方へのおすすめの案件仲介サービスは以下のサービスです。
アビリティクラウド
サービス名: | アビリティクラウド |
運営会社: | イグニション・ポイント フォース株式会社 |
- 2014年創業のコンサルティングおよびスタートアップ投資事業を行うイグニション・ポイント(2022年に電通グループに参画)の子会社が運営するフリーランスコンサルタント向けの
案件仲介サービス。 - イグニション・ポイントの顧客ネットワークを活用し、150~200万円前後の高単価な
プライム案件を多数保有。
\親会社が直請けしたプライム案件が豊富!/
foRPRO
サービス名: | foRPro(フォープロ) |
運営会社: | 株式会社Regrit Partners |
- 2017年創業で急成長中のコンサルティングファーム「Regrit Partners」が運営
- DX関連プロジェクト特化型のフリーコンサル向け案件仲介サービスのため、
DX構想策定からデジタルツール導入などのDX関連の案件を多数保有。 - 非公開プライム案件を取り揃えており、高単価案件(案件平均単価150~200万円)が豊富。
\マッチングの高さや手厚いフォローアップが魅力!/
Strategy Consultant Bank
サービス名: | Strategy Consultant Bank |
運営会社: | 株式会社Groovement |
- 独自ルートで仕入れた上流案件が豊富であり、戦略ファーム出身者や総合コンサルファームで
ビジネスサイドの案件に従事していたコンサルタントに適した案件が多数揃う。 - 大手コンサルティングファーム出身者が仲介エージェントとして案件を紹介・サポートするため、
コンサルタントの得意領域を的確に理解し、紹介案件とのマッチング精度が高い。 - 登録者への案件紹介は、メールなどによる一括配信ではなく、
担当エージェントが個々のコンサルタントに合った案件を厳選して提供。
\ 戦略・業務案件に強い!/
【IT・システム領域】おすすめの案件仲介サービス
IT・システム領域が得意な方へのおすすめの案件仲介サービスは以下のサービスです。
BTCエージェント for コンサルタント
サービス名: | BTCエージェント for コンサルタント |
運営会社: | 株式会社ビッグツリーテクノロジー&コンサルティング |
- 世界50か国以上で事業を展開する欧州最大のコンサルティングファーム「Capgemini」の子会社が運営するフリーコンサル向けの案件仲介サービス。
- 運営元のBTCは数多くの大手クライアントやメガベンチャーとの付き合いがあり、
非公開の独自案件を多数保有。 - フリーランスPMO・ITコンサルタント専門のため、システムプロジェクトのPMO案件を希望するコンサルタントなどは自分に合った案件を見つけやすい。
- 定期的なフォローやクライアントからの評価フィードバックを実施し、
クライアントと直接相談しづらい問題や金額交渉等も仲介して解決してくれる。
\ システム領域に強い会社による運営だから安心!/
デジタル人材バンク
サービス名: | デジタル人材バンク |
運営会社: | 株式会社クラウド人材バンク |
- DXやデジタル化案件に特化して案件を集めており、「一部上場企業」から「億単位の調達を実施したスタートアップ」まで様々な規模の企業の案件が揃う。
- 経営コンサルタントとしての経験豊富なエージェントが、クライアントから直接取ってきた高単価な案件が多く、平均人月単価は193万円。
\高単価なIT案件ならこちら!/
エミリーコンサルタント
サービス名: | エミリーコンサルタント |
運営会社: | 式会社ビスタクルーズ |
- 2006年創業のITコンサルティング会社であるビスタクルーズ社が運営する
フリーコンサル向けの案件仲介サービス。 - 15年以上のコンサルティングサービス提供で培った顧客ネットワークを活かし、
月単価150万円以上の独自プライム案件を保有。 - 専属のキャリア・アドバイザリーコンサルタント(CAC)がつき、
案件の紹介やデリバリー中のサポートに加え、キャリア相談にも対応。
\豊富な直請け・プライム案件を紹介!/
【すべての方におすすめ】大手の案件仲介サービス
案件紹介の量を確保するために、すべての方におすすめの大手案件仲介サービスは以下のサービスです。
High Performer Consultant
サービス名: | High Performer Consultant |
運営会社: | INTLOOP株式会社 |
- フリーランスコンサルタント向けの案件紹介を20年行なっているINTLOOP社が提供する案件仲介サービス
- PMO案件が全体の60%を占めており、テクノロジー・システム領域のPM/PMO経験者に適した案件が多い
- 業界最速水準の月末締翌月15日払いの支払いサイト
\ 戦略・業務・ITすべての案件が豊富!/
フリーランスコンサルタントとして成功するためのポイント
デリバリー品質にこだわり、良い評価・評判を得ること
フリーランスコンサルタントとして成功するには、案件デリバリーの品質にこだわり、クライアントや案件仲介サービス事業者から良い評価・評判を得ることが重要です。クライアントから高い評価を得ることで、継続案件の獲得や将来のバイネームでの案件獲得も期待できます。また、案件仲介サービス事業者から良い評価を得ることで、優良案件を優先的に紹介してもらえる可能性が高まります。
仕事により一層責任を持つこと
コンサルティングファームに勤務している間、多くのコンサルタントは自分の仕事にプロフェッショナル意識を持ち、責任感を持って取り組んでいるでしょう。しかし、フリーランスコンサルタントになると、最終的に責任を取ってくれる上位者がいないため、自分自身が最終責任者としての自覚を持ち、より一層の責任感を持って仕事に取り組む必要があります。
自己研鑽に励むこと
フリーランスコンサルタントは、案件獲得において個人のスキルや知見がより重視されます。継続的に案件を獲得していくためには、時代に取り残されないように、最新の業界知見やソリューション動向などに常にアンテナを張り、自己研鑽に励むことが重要です。
よくある質問
まとめ
以上、フリーランスコンサルタントとしての仕事の始め方や成功するために必要なポイントなどを網羅的に紹介しました。
フリーランスコンサルタントとして働くことは、責任やプレッシャーの高さに不安を感じる一方で、フリーランスコンサルタントならではの仕事の面白さやキャリアの広がり、報酬の高さなど、多くの魅力があります。
フリーランスコンサルタントとして最高のスタートダッシュを切るために、まずは複数の案件仲介サービスに登録し、自分の得意領域のプライム案件を紹介してくれるサービスを見つけることをおすすめします。