SAP案件に特化したフリーランスエージェント「quick flow(クイックフロー) 」。
業界最速の支払いスピードと、月額200万円前後の高単価案件を豊富に抱える同社が、若手フリーランスコンサルタントから選ばれている理由は何か。
株式会社 WonderCamelの共同創業者/取締役で、「quick flow(クイックフロー) 」の事業責任者を務める吉村氏にお話を伺いました。
INTERVIEWEE’S PROFILE
株式会社 WonderCamel 共同創業者/取締役
quickflow事業責任者
吉村 研人 氏
JSOLにて社内起業家として複数の新規事業の立ち上げを経験。
FUJITSU LS研にてブロックチェーンに関する論文を執筆し優秀賞を受賞。上智大学理工学部情報理工学科卒。
SAPに特化!業界最速の支払いスピードと
豊富な高単価案件
SAP案件特化と業界最速の支払いスピードが強み
-quickflowの強みを教えてください。
当社サービスの強みは主に2つあります。一つ目は、”SAPに特化”した案件紹介を行っているという点です。フリーランス向けエージェントサービスは数多く存在しますが、我々はSAPに特化することで、より専門的かつ手厚いサポートを提供することが可能となっています。当社の営業メンバーもSAPに精通しており、きめ細やかなサービスを実現しています。
二つ目の強みは、業界最速水準の支払いスピードです。業界標準の支払いサイトが30~40日程度である中、当社では最短1日での支払いを実現しています。特に、独立したばかりの若手フリーランスの方々にとって、資金繰りは大きな課題となります。この課題に対応するため、可能な限り早い支払いを実現することで、フリーランスコンサルタントの方々の資金繰りの安定化をサポートしています。
SAP実務経験者による
質の高いサポート体制
-御社にはSAPに精通したメンバーが数多く在籍し、「SAP PartnerEdge Service パートナー」にも正式認定されているそうですね。
私自身もNTTデータ系のSIerであるJSOLでの経験があり、また当社の代表はアビームコンサルティング出身です。そのため、アビームコンサルティング出身者も多く在籍しており、営業メンバーについても、単なる営業職というよりも、SAP分野での実務経験を持つメンバーが支援を行っています。
フリーランスの方々からよく耳にするのが、「エージェントの営業担当者が業務内容を理解していないため、キーワードマッチだけで不適切な案件を紹介される」という課題です。しかし当社は、SAPに特化していることに加え、業界経験のあるメンバーで構成されているからこそ、コンサルタントの方々と共通の専門用語で対話でき、適切な案件マッチングが実現できていると考えています。
また、当社ではフリーランス支援に加え、自社SAPコンサルタントの採用・育成にも力を入れています。新卒・第二新卒に対するSAPコンサルタントの育成プログラムも展開しており、その取り組みが評価され「SAP PartnerEdge Service パートナー」のシルバーパートナー認定を取得しています。このように自社でもSAPコンサルティングサービスを提供することで、社内にSAPに関する専門的なノウハウを継続的に蓄積しています。
-フリーランスとして働く上での不安の一つに、自分の知識や経験が及ばない場面に遭遇することがあると思いますが、そういった時にサポートを受けられる環境があるのは心強いですね。
まさにその通りです。実は、フリーランスの方に、当社の社員と協働してプロジェクトを進めていただくケースもあります。そういった柔軟な働き方ができる環境が整っているのは、当社特徴の一つです。
業界の常識とは異なる支払いプロセスで、最短1日の報酬支払いを実現
-一般的にフリーランスエージェントの支払いサイトは30日~40日の中で、quickflowでは最短1日での支払いを実現できているのはなぜでしょうか?
通常、フリーランスエージェントは発注元クライアントからの入金確認後にフリーランスコンサルタントへの支払いを行います。しかし当社では、この一般的なプロセスを逆転させ、クライアントからの入金を待たずにフリーランスコンサルタントへの支払いを先行して実施しています。
これは確かに当社側でリスクを負う形となりますが、主要クライアントが大手コンサルティングファームや大手SIerであり、資金決済の安定性が極めて高いため、支払いの遅延リスクは最小限に抑えられています。このような優良なクライアント基盤により、当社は安定した資金繰りを確保しつつ、フリーランスコンサルタントの方々への迅速な支払いを実現しています。
また、業務的には、当社の経理チームの努力と献身的なサポートがあるからこそ、こうした迅速な支払いを実現できているという側面もあります。
20代前半~30代の総合コンサル・SIer出身者が活躍
-quickflowのユーザー層について教えてください。
年齢層としては、20代後半から30代がメインのボリュームゾーンとなっています。これは、当社が独立したばかりの方や、独立を検討している方々をメインのユーザーとしているためです。
経歴で見ますと、大手SIerや総合コンサルティングファームの出身者が中心となっています。特に役職では、シニアコンサルタントクラスの方々が最も多いですね。これは、マネージャーへの昇進機会を前に、様々な理由からフリーランスという選択肢を検討される方が多いためだと考えています。
-シニアコンサルタントまで経験していれば、独立後も案件は取れるのでしょうか?
はい、シニアコンサルタント以上の経験をお持ちの方は即戦力として評価されるため、比較的スムーズに案件を獲得できる状況です。
-コンサルタントランクではいかがでしょうか?
コンサルタントランクの方々の場合は、個人のスキルや経験値によって状況が異なってきます。例えば、英語力を有している方や、特定の分野で専門性を築いてきた方であれば、十分に案件獲得のチャンスがあります。
一方で、まだスキル面で不安を感じている方もいらっしゃいます。そういった場合、我々は率直にスキルギャップについてお伝えした上で、強い独立希望がある方に対しては、当社の社員や信頼できるフリーランスの方とチームを組んでプロジェクトに参画いただくなど、柔軟な対応を提案させていただいています。
SAPに特化!業界最速の支払いスピードと
豊富な高単価案件
シンプルな商流で実現する月額200万円台の高単価案件
-御社で取り扱っている案件の内容を教えていただけますか?
基本的にSAP関連の案件を手がけており、現在は特にSAP ECCからS/4HANAへのマイグレーションや新規導入プロジェクトが中心となっています。これは、旧バージョンのサポート終了に伴う需要の高まりが背景にあります。
案件の立場としては、導入企業である事業会社側でのプロジェクト参画と、導入ベンダー側でのプロジェクト参画という二つの形態がありますが、当社では特に後者の導入ベンダー側の案件が多くなっています。具体的には、大規模な基幹システムの導入プロジェクトに、コンサルティングファームやSIer側のメンバーとして参画するケースが中心です。
-プロジェクトの期間としてはどのくらいの長さでしょうか?
SAP案件の場合、参画するフェーズにもよりますが、要件定義の段階から携わるとすれば、少なくとも2~3年は継続するプロジェクトとなります。
これはフリーランスとしても大きなメリットになっています。短期案件の場合、次の案件を探すための営業コストや時間が必要となり、収入が不安定になりがちです。一方でSAP案件は、一度プロジェクトに参画すると長期的に安定した仕事を確保できます。そういった意味でも、独立を考えている方にとって魅力的な分野だと考えています。
-稼働率についてはいかがでしょうか?
SAP案件の場合、100パーセント稼働の案件がボリュームゾーンとなっています。ただし、当社では60パーセントや80パーセント稼働での契約も柔軟に対応させていただいています。そういった案件では、非常に優秀で、豊富なSAP知見をお持ちのフリーランスの方々に参画いただくケースが多いです。本来であれば100パーセントの稼働を希望したいが、その方の経験や専門性であれば、60パーセントの稼働でも参画してほしいというお話を発注側からいただくからです。
フリーランスの方々の中には、週3日勤務で4日は休みたいといったワークライフバランスを重視される方もいらっしゃいます。この点について、当社は他のエージェント企業と比べてより柔軟な対応が可能だと考えています。これは、当社メンバーの多くが大手SIerや総合コンサルティングファームでの就業経験を持っており、元上司などが発注元企業のリーダー層にいることから、比較的条件調整しやすい関係性があるためです。
-最近はフリーランスでも出社が増えている印象ですが、案件の勤務形態についてはいかがでしょうか?
ご認識の通りです。最近では、完全なフルリモートで実施できる案件はほとんどないと感じています。ただし、フル出社を求められる案件も同様に少なく、週1回程度の出社が一般的です。特にプロジェクト参画初期は、チームとの関係構築のため比較的多めに出社が必要となるケースが多いですね。これは現在の市場環境においては避けられない傾向かと思います。
-quickflowの特徴として、案件単価の高さも挙げられます。直近の案件を見ても、200万円前後の案件が珍しくありません。この高単価の理由について教えてください。
高単価の背景には、大きく二つの要因があります。まず、SAP分野全体の市場環境として、案件数に対して人材が不足している状況があります。そのため、SAPコンサルタントとしてのフリーランスの方々の市場価値が非常に高くなっています。
もう一つは、当社の特徴として、商流をシンプルに保っていることが挙げられます。フリーランスの方と発注企業の間に介在する企業を当社1社のみに限定することで、マージンの重複を避けています。これにより、発注企業には適正価格でサービスを提供しながら、フリーランスの方々により高い報酬をお支払いすることが可能になっています。
実際、発注企業に対して必要以上に高額な価格設定をすることはリスクにもなりかねませんし、それは当社の方針とも異なります。適正な価格帯の中で、できる限り商流を簡素化し、その分をフリーランスの方々への還元に充てる—これが私たちの大切にしている考え方です。
同世代のメンバーによる
丁寧でウェットなサポート
-quickflowではフリーランスに対して、案件紹介以外にどのようなサポートを提供していますか?
私たちのサポートには、大きく3つの特徴があると考えています。
第一に、同世代ならではの親しみやすさです。私自身33歳で、営業メンバーの多くも30代前後と、フリーランスコンサルタントとして独立を検討される方々と同年代です。この年齢的な近さを活かし、より身近な立場で率直な対話や相談ができる関係性を築いています。実際、もはやサポートと呼ぶのかはありますが、一緒に飲みに行くなど、友人のような関係性になる方もいます。そのため、今の案件に対してどう思っているかなどを忌憚なく意見いただき、『次の案件ではこういう方向性で行こう』といった具体的な将来のキャリアプランまで共有できる関係性が自然と生まれています。
第二に、丁寧な独立支援です。独立を検討されている方々に対して、法人設立と個人事業主の選択から各種手続きまで、一人ひとりの状況に合わせて丁寧なアドバイスを提供しています。また、定期的にオフラインイベントも開催しており、例えばSalesforce専門のフリーランスコンサルタント(兼・寿司職人)をお招きしての交流会なども実施しています。これらのイベントでは、豊富な経験を持つフリーランスの方々をゲストとしてお招きし、実践的な知見や経験談を共有していただくことで、参加者の方々が独立に向けた具体的な判断材料を得られる場となっています。
第三に、案件参画中のきめ細やかなフォローです。当社は発注元企業との距離が近いという強みを活かし、業務量の調整やタスクの整理が必要な際には、すぐに間に入って調整を行うことができます。
このような『ウェット』な関係性を大切にしながら、フリーランスの方々のキャリアをしっかりとサポートしていくこと—それが私たちの特徴だと考えています。
SAPに特化!業界最速の支払いスピードと
豊富な高単価案件
独立には専門性と責任感が不可欠
-様々なメリットがあるフリーコンサルという働き方ですが、フリーコンサルとして独立する際に注意すべき点があれば教えてください。
独立を検討される方に特に注意していただきたい点が、大きく2つあります。
1つ目は、明確な専門性の確立です。例えばSAPコンサルタントとして独立を目指す場合、『SAPのFI領域において、上流から下流まで一貫して主体的に対応できる』といった具体的な強みを持っていることが重要です。企業内では様々な案件を横断的に対応できるゼネラリストの価値も高いのですが、フリーランスの場合は異なります。多くの案件は『このプロジェクトの、この体制の、このポジションが不足している』という具体的なニーズから生まれています。そのため、幅広い経験よりも、特定分野への専門性が高い方が、より多くの機会を得やすい傾向にあります。
2つ目は、フリーランスの実態に対する正しい理解です。『フリーランス=楽になれる』という認識で独立を考えられる方もいらっしゃいますが、これは大きな誤解です。確かに、企業内での政治的な調整や研修といった、プロジェクト外の業務からは解放されます。しかし、プロジェクト自体の業務が楽になることは決してありません。むしろ、外部委託という立場で自らの価値を証明し続ける必要があり、ある意味では、より高い責任が求められます。
このような点について、独立相談の際には特に丁寧にお話させていただき、現実的な理解をいただいた上で判断していただくようにしています。
-quickflowで継続的に活躍されている、フリーコンサルの方の特徴を教えてください
基本的には先ほどの回答の裏返しになるかと思いますが、大きく2つあります。
1つ目は、プロジェクトへの関わり方です。活躍する方は『フリーランスだから』という線引きをせず、正社員か外部委託かに関係なく、プロジェクトメンバーの一員として全力で取り組める方が多いですね。実は、これは発注企業が最も求めている姿勢でもあります。『フリーランスだから』という考えではなく、むしろチームの一員として主体的に関わろうとするマインドを持った方々が、長期的に活躍されています。
2つ目は、プロフェッショナルとしての責任感です。プロジェクトが困難な局面を迎えた際、すぐに離脱するという選択は、短期的に自分の身を守る手段としては有効かもしれません。しかし、フリーランスとして長期的にキャリアを築いていく上では、必ずしも得策とは言えません。というのも、一定規模以上の発注企業の数は限られており、一度信頼関係を損ねてしまうと、その後の選択肢が著しく狭まってしまうためです。
実際、ベテランのフリーランスの中にも、過去の案件での対応が原因で機会を失ってしまった方もいらっしゃいます。逆に言えば、困難な状況でもプロジェクトに最後まで責任を持って取り組める方が、継続的に活躍できる機会を得られているように思います。
-フリーランスとして長期的なキャリア形成やスキルアップのために、どのような戦略を持つべきでしょうか?
フリーランスとしてのキャリア形成において重要なことは、一つ一つのプロジェクトに腰を据えて取り組むことだと考えています。
その理由は、案件の広がり方にあります。例えば、発注元である大手コンサルティングファームの一つのプロジェクトで信頼関係を築くことができれば、同じファーム内の別プロジェクトで人材が必要になった際に声をかけていただけるようになります。この『プロジェクトのスライド』が、実はスキルアップの大きなチャンスとなります。
というのも、フリーランスが最初から未経験の領域の案件を任されることは、ほぼありません。しかし、一度信頼関係を構築できれば状況は変わってきます。『この案件で頑張ってくれたから、次は新しい領域にもチャレンジしてもらおう』という形で、クライアント側が少し育成的な視点で機会を提供してくれるケースも出てくるからです。
そのため、たとえプロジェクトで困難な局面に直面しても、可能な限りやり切ることをお勧めしています。
「外部委託」から「パートナー」へ – 成長続くフリーコンサル市場の現在
-フリーコンサル市場の動きや将来性について、発注主と接する中で感じていることがあれば教えてください
フリーランス業界自体は、今後も継続して拡大する成長市場だと感じています。
特に注目すべき変化は、発注主となるコンサルティングファームやSIerの意識の変化です。
一昔前までは、外部委託人材は時に理不尽な扱いを受けることもあったかと思います。しかし今では、プロジェクトを成功に導くための重要なパートナーとして認識されるようになってきています。特に人材不足が顕著なプロフェッショナル業界では意識が変わったように感じています。
このような背景から、よりフリーランスにチャレンジしやすい環境になっていると思います。
-最後にフリーコンサルとして独立したばかりの方や独立を悩んでいる方に向けてメッセージがあればお願いします
quickflowはSAPに特化したエージェントとして、独立の判断から長期的なキャリア形成まで、一人ひとりに寄り添ったサポートを提供しています。
独立の判断は決して容易ではありません。そのため私たちは、独立すべきかどうかについても、フラットな立場でアドバイスをさせていただいています。時には「今は独立を見送った方が良いかもしれません」といった率直な意見を申し上げることもあります。
ご自身のキャリアの方向性を見極める一つの機会として、まずは気軽にquickflowへご相談いただければと思います。