Big4・ブティックファームを経て、上場スタートアップでの事業開発へ(ポストコンサル体験談)

大手総合コンサルティングファーム(Big4)、ブティックファームを経て、上場スタートアップの事業開発・事業企画を担当している方へのインタビューです。転職の動機やコンサルと事業会社(スタートアップ)の違い、転職活動での苦労などについて詳しくお話を伺いました。

Interviewee Profile

新卒でBig4のコンサルティングファームに入社。その後、事業再生系のコンサルティングファームに転職し、中計策定やBDDなどを経験。結婚・子育てを機に、上場スタートアップ企業へ転職し、現在は事業開発や事業企画を担当。

目次

新卒でBig4へ入社。
PEファンドを目指して、3年目にブティックファームへ転職

―簡単にご経歴を教えてください。

新卒で Big4(PwC、デロイト、EY、KPMG)のうちの1社に入社し、新規事業立案やシステム導入、業務改善など、様々なプロジェクトに携わりました。3年目のタイミングで、事業再生系のブティックファームに転職し、中期経営計画の策定や出資検討におけるビジネスデューデリジェンスなどのプロジェクトに従事しました。その後、結婚・子育てを機にワークライフバランスに対する考え方が変化し、上場スタートアップに転職しました。現在はその上場スタートアップで、事業開発や事業企画に携わっています。

―1回目の転職の理由や動機を教えてください。

当初、私はキャリアの方向性としてPEファンドへの転職を視野に入れていました。Big4でコンサルタントとして働く中で、高いコンサルティングフィーを得ながらも結果にコミットしないことに違和感を覚え、クライアントやステークホルダーと同じ方向性を持って仕事をするには資本参加が必要だと考えるようになったためです。

しかしながら、Big4でM&A部門や戦略部門での経験がなかったため、いきなりPEファンドへの転職は現実的ではありませんでした。そこで、PEファンドへの転職を念頭に置きつつ、ステップアップのキャリアとして1社挟むことを検討しました。

選択肢としては、戦略ファーム、FAS(Financial Advisory Services)、財務モデリング等の経験が積めるブティックファームの3つがありました。その中で当初は戦略ファームへの転職を目指すもオファーを頂くことはできず、最終的にFASとブティックファームで悩みましたが、FASでは求められるケイパビリティがコンサルとは大きく異なることから、コンサルティングの経験・スキルを活かしつつ、PEファンドへの転職を狙えるブティックファームへ転職しました。

転職先のブティックファームは、有名PEファンドなどから多数のデューデリジェンス案件を受注しており、PEファンドとの距離が近い環境でした。実際に、そのブティックファームで3~4年勤務した後、PEファンドへ転職していく同僚もいました。

結婚・子育てを機に仕事の価値観が変化

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―PEファンドを目指して、ブティックファームに転職した中で、実際にはネクストキャリアとして上場スタートアップを選んでいます。

結婚や子供が産まれたことで、働き方に対する価値観が変わりました。ライフステージの変化に伴い、出世やお金のために、時間のすべてを仕事に費やして必死に働くという、かつてのハングリー精神は徐々に薄れていきました。そのような中、ブティックファームではBig4時代以上にハードに働いていたため、徐々に仕事の負荷の高さがストレスとなり、2回目の転職を考えるようになりました。

2回目の転職を検討する際、私はプロフェッショナルファームでの働き方にある種の疲弊感を覚えていたため、主に事業会社への転職を視野に入れていました。

コンサルティングの世界では、常に「提供しているサービスの価値がフィーに見合っているのか」という疑問を抱えながら働いていました。この疑問が心理的な負担となっていたこともあり、事業会社に転職することで、より健全な精神状態を保ちながら仕事に取り組めるのではないかと考えるようになりました。

また、事業会社では、プロフェッショナルファームと比較して、ある程度ワークライフバランスの取れた働き方ができるという点も、転職先として事業会社を選ぶ上で重要なポイントの一つでした。

―2回目の転職先として事業会社を考える中で、現職の上場スタートアップを選んだ理由を教えてください。

事業会社を選ぶ際、ブティックファームでの経験から、成長している業界に身を置きたいと考えました。ブティックファームでは事業再生案件が多く、業界全体として右肩下がりのクライアントが多かったため、資金的な制限や事業環境自体の悪化から取りうる選択肢が少ないことやクライアント企業の社員の方々も少し元気が無くなっていたりなどと、ネガティブな雰囲気に当てられてしまうこともしばしばありました

一方、Big4時代は高いフィーを払える安定的な大企業や成長企業のクライアントが多かったため、その会社が置かれている状況による会社全体の雰囲気の違いに衝撃を受けました。

ネガティブな雰囲気の中で、「自分が変えるんだ」というスタンスで仕事に臨んでいたものの、それには相応のエネルギーが求められ業務量とも相まってストレスを感じる場面が多くありました。そのような経験から、業界全体として明るく可能性に満ちた環境で働く方が、自分の幸福度を高く保てるだろうと感じました。

成長産業を考えた際、自然とITスタートアップが選択肢に浮上してきました。当時、ベンチャーキャピタル(VC)の知人から、いくつかのアーリーステージのスタートアップを紹介してもらいましたが、子供が生まれたタイミングだったため、創業期よりもある程度成長したスタートアップやメガベンチャーの方が適していると判断しました。最終的に現職の上場スタートアップを選んだ理由は、面接で出会った社員の方々に好印象を持ったからです。

コンサルから上場スタートアップの事業開発へ

―上場スタートアップに入ってからは、どのような仕事を経験しましたか?

実は私の採用を決めてくれた上司もコンサルティングファーム出身の方なのですが、入社初日、自分に対する期待や仕事内容について尋ねると、「決めていない」という返答が返ってきました。上司曰く、「会社に不足しているケイパビリティを持ち、人柄的にも組織にフィットしそうだと感じたから採用した。とりあえず、様々な部署に顔を出して、自分がやりたいと思った仕事があれば提案してほしい。数か月間は自由に動いて構わない」とのことで、正直驚きました。

―それは人によっては困ってしまいそうですね(笑)

はい。私自身、上司の言葉を額面通りには受け取らず、何かしらの業務を割り当てられるのではないかと予想していました。半信半疑で様々な部署の方にお話をお伺いし、第三者視点が残っている今だから指摘/改善できるものはないかという観点で自分の興味があり、インパクトを産める領域を探索していました。その間は完全に放置されている状態であり、「あの人、本気で言っていたんだ…」多少面をくらいました。

その過程で、ある企業とのアライアンス戦略について、兼務で担当している方から、「手が回っていないから支援してほしい」という依頼がありました。そこから私は、事業開発領域の業務に携わるようになりました。

―それから事業開発をずっと担当しているのでしょうか?

実は数か月後、前述の上司が再び私の前に現れ、今度は「当社の顧客の特性や抱えている課題を肌で感じることが、中長期的に君の成長につながると思う。営業経験はないと思うが、一度挑戦してみないか?もちろん、嫌なら無理にとは言わないが」と提案してきました。私自身、営業に興味があったため、「面白そうな機会だと思うので、ぜひやらせてください」と快諾し、その後数か月間は営業職に就きました。

しかし、半年ほど経過した頃、事業開発部門で人手不足が発生したため、再び呼び戻されることになりました。そこでは新規サービスの開発に取り組み、現在はそのサービスがリリースされ、私はその事業の担当者としてグロースを推進しています。

育児休暇なども取得しながら、現在ではこの事業の担当者としての仕事が最も長く続いています。具体的には、事業KPIの管理をしつつ、予算の範囲内で売上を最大化するための営業・マーケティング戦略の策定やカスタマーサクセスの設計など、事業に関するあらゆる業務に携わっています。

―自分で営業もしているのでしょうか?

いいえ、営業自体はセールス部門が担当しているため、私自身が直接営業をすることはありません。ただし、営業担当者に対して、「このような点を訴求して販売するとよいですよ」「こういったクライアントや課題に対して商材を提案してほしい」などと社内営業的に働きかけることで、営業担当者の中でのそのサービスに対するマインドシェアを高めるための活動は行っています。

意思決定スピードへの適応に苦労

―コンサルティングの世界からスタートアップに転職して、ギャップを感じたことはありますか?

最も大きなギャップを感じたのは、意思決定に至るまでのスピード感でした。「とりあえずこの方向で良いだろう。後は走りながら修正していけば良い」という考え方で物事が進められ、そのスピードの速さに最初は戸惑いを覚えました。

コンサルティングファーム時代は意思決定権を持たない立場にいて、大企業のクライアントが小さな論点に何週間も費やして意思決定するプロセスに疑問を感じていました。その点では、スタートアップのスピード感にポジティブな印象を持ちました。

しかし一方で、わずか30分の打ち合わせで、スライド資料も用意せずに、Wordテキストベースや口頭ベースで会議が行われ、かなり重要な事項がどんどんと決定されていくのを目の当たりにし、驚きを隠せませんでした。追加検討が必要な論点があっても、後日Slack上で検討内容を共有し、すぐに承認が下りて進行していくというスピード感に、正直なところ入社当初の2~3か月は「この会社は本当に大丈夫なのだろうか」と不安を感じることもありました(笑)

―大企業からスタートアップへ転職した人がよくギャップを感じるポイントですね。

自分自身の考え方や仕事のスタイルを適応させていくのに苦労しました。

コンサルティングファームでは、クライアントに提案する前に、仮説をしっかりと固め、言語化し、整理された状態にするのが一般的です。社内でマネージャーやパートナーのレビューを受けるため、クライアントに提示する際には綿密に準備された内容となります。また、コンサルティングの世界では、様々なパターンを検討し、100回中1回か2回しか起こり得ない事象に対しても、打ち手を検討しておくのが通常です。

一方で、もちろん社内ミーティングであるという違いはありますが、現在の会社では、そこまで準備を整えた状態で会議に臨むと、「そこまでする必要はない。6割程度検討できていれば十分だ。網羅的に詰めるのに時間をかけるよりも、早く提案してもらった方が助かる」と言われます。会社として、大枠が決まった段階でどんどん提案してもらって構わないというスタンスです。

ところが、コンサルティングファーム出身者である私は、「ここを指摘されたらどうしよう」「ロジックに漏れがあるから、もう少し詰めて、今週の定例ではなく来週に持っていこう」などと考えてしまいがちです。スタートアップでは、迷っているのであればとにかく提案することが推奨され、そういう文化が根強いため、自分の思考プロセスや仕事の進め方を適応させるのに一定の時間を要しました。もしかすると、今でもそのような癖が出てしまうことがあるかもしれません。

事業立ち上げ・グロースに挑戦し、数字で実績を語れるように

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現職の仕事でのやりがいや良い点を挙げるとしたら何でしょうか?

実際に自分が実施した施策によって、事業が上手くいったり、上手くいかなかったりするところが、やっぱり1番面白いんじゃないかと思います。自分の行動と事業の成果が直結しているところですね。

私の場合、現在のプロダクトが解決しようとしている社会課題に対して、強い思い入れがあるわけではありません。ただ、マーケットが大きくて、事業が成長すれば収益的にも大きなインパクトがあるという感覚があり、そこには非常に面白みを感じています。

また、個人のキャリア形成という観点からも、上場スタートアップで一から事業を立ち上げ、一定の売上規模を達成したという実績を作れることは、大きなメリットだと感じています。

事業について、「こういった状況下で、このように考え、こういった施策を打ち、このような結果を出した」ということを、解像度高く語れるようになれば、スタートアップ業界においては数多くのキャリアチャンスが広がるでしょう。また、大手企業が新規事業を立ち上げようとする際にも、そのような経験を持った人材は稀少であり、高く評価されるはずです。元々コンサルティングの経歴を持ちながら、実際に事業サイドに入り、事業の立ち上げやグロースを成し遂げられる人材は、市場での価値が非常に高いのではないかと考えています。

私としては、今この場所で懸命に努力し、結果を出すことで、将来的に相応のリターンを得られるだろうと強く感じており、その思いを持って日々の業務に取り組んでいます。

―実績を数字で語りづらいというのはコンサルタントの悩みかもしれませんね。マネージャー以上であればセールスの実績などが語れますが、デリバリーに関しては数字で語りづらいイメージはあります。

そうですね。現職に転職して、徐々にそういった部分を語れるようになってきたのは、キャリアとして大きかったと感じています。

―逆にコンサルを一度経験したからこそ、今の仕事で活きていることはありますか?

ソフトスキルの面では、課題を要素分解して考えられること、パターンを分けて考えられることが、非常に役立っていると感じます。

コンサルティングの経験により、自然に課題を構造化して捉えられるようになりました。そのため、スピード重視で意思決定をする際にも、押さえるべきポイントが明確になり、全体を俯瞰した上で論理的にリソースを集中すべき点が分かります。これにより、周囲の納得感も高まり、自分自身も自信を持って意思決定することができます。

ハードスキルという点では、単純にエクセルの作業スピードがかなり速い方だと思います。もちろん、エンジニアの中にはPythonやSQLを使ってデータ分析を行う人もたくさんいますが、事業サイドという意味では、エクセルを使って必要な分析をスピーディに行う力は、私の強みだと考えています。

ワークライフバランスを保ちながら仕事が出来ている。
同僚との関係性も変化

―コンサルとスタートアップの働き方の違いはいかがでしょうか?

コンサルティングファームでは、プロジェクトベースで働くため、プロジェクトには終わりがあります。プロジェクトの最終報告に向けて一気に仕事をこなし、その後1週間程度休んで、翌週から全く知らない業界についてまた一から取り組むというような仕事のスタイルでした。

一方、事業会社の場合は、事業がエンドレスに続いていきます。そういう意味では、コンサルティング時代と比べると、短期的な負荷は低いものの、終わりのないマラソンを走っているような感覚があります。

良い点としては、ワークライフバランスがコントロールしやすいことが挙げられます。仕事の波がないため、突発的に徹夜をするようなケースはほとんどありません。転職してから一度も徹夜をしたことがないので、その点では負荷は低いと感じています。

また、今の会社の特徴かもしれませんが、様々なことに理解があり、働きやすい環境だと感じています。例えば、家族の体調が悪い時に、急な在宅勤務や休暇を申請しても、快く認めてもらえます。

―大体何時から何時まで、毎日働いていますか?

私の場合、労働時間にはあまりこだわらず、その日自分がやるべきだと思ったところまで仕事をして帰るようにしています。最近は10時から10時半ごろに会社に行き、朝はゆっくりと仕事を始めています。帰宅は だいたい夜の8時半から9時ごろになることが多いですね。

一方で、他の社員の中には、定時できっちりと働く人もいます。また、子育てや寝かしつけなどの事情がある人は、朝8時半から9時ごろに出社し、夕方の5時から6時ごろに帰宅するという方もいます。

会社としては、コアタイムさえ守っていて、お客様に迷惑をかけなければ、ある程度自由に働くことができる環境です。それぞれのライフスタイルや担当業務に合わせて、柔軟に労働時間を調整できるのは大きなメリットだと感じています。

―同僚との関係性や付き合いは変わりましたか?

同僚との関係性や付き合いは大きく変わりました。これはスタートアップだからというよりも、現職の会社特有の文化なのかもしれません。

うちの会社では、いくら優秀であっても、人間性に問題がありそうな人は採用しないという方針が徹底されています。面接では3、4人が面接を担当し、候補者が他人を威圧したり、落としたりするような雰囲気があれば、たとえ経歴が素晴らしくても採用しないというスタンスを取っています。そのため、社内で仕事をしていて、本当に人間的に素敵な人ばかりだと感じています。

付き合い方という意味でも、現職では、趣味を共有できる同僚がいれば、オフの日でも一緒に遊べばいいよねという雰囲気が社内にはあります。例えば、オフの日に同僚と一緒に釣り船を借りて釣りを楽しんだりするなどしています。

コンサルティング会社での経験と比べると、同僚との関係性や付き合い方に大きな違いを感じており、今の会社のカルチャーを楽しんでいます。

―他にスタートアップに転職して変わったことはありますか?

スタートアップに転職したことで、優秀な人材の多様性に気づかされました。

例えば、社内には営業として優秀な人材が数多く在籍しており、ロジカルに話しているわけではないのにクライアントの心をつかむのが上手かったり、商談の中で自社のプロダクトがクライアントにとって必要不可欠であるという話に持っていくのが上手かったりします。

自分自身は、何でもそこそこできると思っていましたが、営業の分野では到底敵わない人が世の中には多くいることを認識させられました。コンサルティング会社にいると、「ロジカルに情報を整理できる」、「わかりやすく説明できる」、「会議をうまくファシリテーションできる」など、特定の能力の有無で優秀さを判断する癖がついていたのだと強く感じました。しかし、スタートアップでの経験を通じて、優秀さの定義がもっと多様であることを認識できました。

様々な業界・テーマのPJを経験してきたからこそ、
転職活動では「自分が何者か」を定義するのが難しかった

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―転職活動についてですが、1回目、2回目の転職活動はどのように進めましたか?

私は1回目も2回目も、転職エージェントを活用しました。スカウトを送ってきたエージェントと話をしながら、転職活動を進めていった感じですね。

―転職活動で苦労したことはありましたか?

苦労したことといえば、1回目も2回目も共通していたのは、自分の強みや専門性を明確に定義することの難しさでした。

コンサルタントとして様々な業界・テーマのプロジェクトに携わって、スキルを磨いてきたものの、結局のところ「何屋さん」なのかを自分で明確に説明するのが難しかったのです。自分の強みや詳しい業界、どのような環境で成果を発揮できるのかということを、相手にわかりやすく伝えるのに苦労しました

結果として、1回目の転職でも2回目の転職でも、「この人がどの程度できるのかわからないけれど、経歴を見る限り基礎能力はありそうだから、とりあえず採用しておこう」というような、ポテンシャル枠での採用だったように感じています。

―色々な業界・テーマを経験している新卒コンサル組などは、そういった悩みも多そうですね

コンサルティング会社に入り、様々な業界・テーマの案件を経験してきた結果、専門性という観点で「自分が何者か」を定義しづらい人は、汎用的なポータブルスキルを持っていることをアピールして、自分のポテンシャルの高さを理解してもらうことが重要だと思います。

転職活動では、「このポテンシャルの高さなら、未経験の業界・領域であっても一定の成果を出してくれそうだ」と採用担当者に思ってもらえるように努力するのが勝負どころになります。ただ、それは簡単ではなくて、私もそのポテンシャルを伝えることが出来ずに、不採用になることも多々ありました。私のように色々なことに興味を持ち、様々な経験を積むタイプの人間は、キャリアのどこかでこういった壁にぶつかるのかもしれません。

コンサル業界には戻れるからこそ、
思い切って外の世界に挑戦してみるとよい

―今後のキャリアについてはどう考えていますか?

正直なところ、今後のキャリアについてはあまり深く考えていません。今は目の前の仕事、任されているサービスをしっかりとグロースすることに集中しています。これが1年なのか、2、3年になるのかはわかりませんが、とにかく目の前のタスクに注力しているところです。

その先については、自分が魅力的だと感じる商材を扱っている会社や、一緒に働きたいと思える人たちがいる場所に自然と導かれるのではないかと考えています。その際に、新たな場所で確実に価値を提供できる実力をつけ、それを裏付ける実績を作ることに力を入れています。だからこそ、あまり先のことは考えずに、今の仕事に打ち込んでいます。

―現役コンサルタントへのアドバイスやメッセージはありますか?

コンサルティング会社にどれくらいの期間在籍したかにもよりますが、3年から5年ほどコンサルタントとして働けば、規模を問わずコンサルティング業界に戻ることは比較的簡単だと思います。そこで自分が活躍できるかどうかは別の問題として、少なくとも面接などの採用プロセスは突破できるのではないでしょうか。

もし外の世界に興味があるなら、一旦飛び出してみて、そこで経験を積んでから考えればいいと思います。コンサルティング会社に戻るのはそれほど難しくありません。プロジェクトマネジメントスキルがあり、教育コストが少なく、すぐに稼働できる元コンサルタントは、どのコンサルティングファームにとっても魅力的な人材だからです。

気になる業界や会社があるなら、一旦外に出てみる。そして、やはりコンサルティングが良かったと感じたら、また戻ってくればいい。そんな柔軟な姿勢でキャリアを考えてみるのもアリだと思います。

―貴重なお話有難うございました!

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