【フリーコンサル インタビュー(30代女性)】海外で暮らしながらフリーコンサルとして活躍

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フリーランスコンサルタントとして、海外で暮らしながら日本国内外の案件に携わる方へのインタビュー記事です。大手電力会社からコンサルティングファームへの転職を経て、フリーランスコンサルタントとして独立し、主にサステナビリティ領域で活躍されています。インタビューでは、携わった案件の内容や案件獲得方法、ファーム時代との違いなど、フリーランスコンサルタントとしての実態に迫りました。また、社会課題の解決に取り組む姿勢や、今後のキャリアビジョンについても語っていただきました。

Interviewee Profile

新卒で大手電力会社に就職。その後、総合コンサルティングファームに転職し、主にサステナビリティ領域の案件に従事。数年前に、配偶者の海外転勤をきっかけにフリーランスコンサルタントとして独立。現在は海外で暮らしながら、日本国内外のフリーコンサル案件に参画中。

目次

総合コンサルファームを辞めて海外へ。
フリーランスコンサルタントとしてサステナビリティ領域で活躍中

―簡単にご経歴を教えてください。

新卒で大手電力会社に入社し、数年間のキャリアを積んだ後、総合コンサルティングファームへ転職しました。コンサルティングファームでは主にサステナビリティ領域の案件に従事していました。その後、配偶者の海外転勤を機に、フリーランスコンサルタントとして独立しました。現在は海外で暮らしながらリモートで日本国内外の案件に携わっています。

―フリーランスとして独立した背景についてもう少し教えていただけますか?

配偶者が海外転勤することになり、私も同行することになりました。しかし、取得したビザでは現地での就労が認められていなかったため、リモートワークを検討するようになりました。前職の上司や友人・知人にも相談をする中で、フリーランスコンサルタントとして独立することを決め、それまでに築いていた様々な方とのつながりを通じて、徐々に案件をいただくようになったのがきっかけになります。

―フリーランスコンサルタントとして独立してからはどのような案件に参画していますか?

私の専門性はサステナビリティ領域であるため、サステナビリティ関連の案件であれば内容を問わず受けてきました。具体的には、新たなテーマに関するリサーチ案件やデータ分析、あとはコンサルティングファームの資料を翻訳・綺麗化する仕事もあります。翻訳の仕事については、自動翻訳ツール等も出てきていますが、やはり翻訳精度などに問題があり、継続的に仕事をいただいています。

また、独立当初はフリーランスとしての活動が中心でしたが、近年は自分でNGOを立ち上げたり、他のNGO団体の理事を務めたりする機会もあり、パラレルワーカーとして働いています。

―フリーランスコンサルタントとして独立する際に不安はありましたか?

最初はやはり、サステナビリティの領域はフリーランスとしてやっていける分野なのかという不安はありました。一方で、コンサルティングファームに長く在籍した訳ではないため、フリーランスとして経営コンサルティングを提供していくイメージも湧きませんでした。また、ファーム時代はチームでのデリバリーが主だったため、個人で単独でデリバリーを行うことへの不安感もありました。

さらに、独立当時はコロナ前だったため、フルリモートの案件自体が少ないことも懸念事項の一つでした。

知人やエージェント経由での案件紹介が中心

―案件はどのように獲得していますか?

独立当時は、コロナ前ということもあり、リモートワークの案件仲介エージェントなどは今ほど多くありませんでした。そのため、当初は友人や知人経由で仕事を紹介いただくことが多かったです。コンサルティングファーム時代に様々な人との繋がりを築けていたことが幸いでした。

その後、案件仲介エージェントからも仕事の紹介を受けるようになりました。複数のエージェントを活用し、自分の専門性にマッチした条件の良い案件を探しています。エージェントを利用する利点は、自分で直接探すのが難しい案件も紹介してもらえることです。ただし、エージェントによっては高額なマージンを取るところもあり、実際に嫌な思いをしたこともあるので、エージェントの選定には慎重を期しています。

海外のクライアントとの仕事に関しては、LinkedInを通じた案件紹介も少なくありません。私が現在居住している国では、LinkedInが仕事探しのプラットフォームとして広く使われているため、企業の人事部と直接つながっているエージェントからLinkedInを通じて連絡が来ることがあります。

また、私の場合は他のフリーランスの方とチームを組んでおり、毎年特定のクライアントと年間のコンサルティング契約を結んでいたりもします。

―常に複数の案件を抱えているのでしょうか?

稼働率が10〜20%程度の案件を同時に4〜5件ほど抱えていることが多いです。

ニッチな領域で専門性を深め、大手ファームとすみ分け

―フリーランスコンサルタントへの仕事依頼が増えている感覚はありますか?

私の専門領域であるサステナビリティ関連の案件は増加傾向にあると感じています。もちろん、クライアントが大手コンサルティングファームに依頼するケースも多いですが、大手ファームが取り扱っていない領域も存在します。私や私とチームを組んでいるフリーランスのコンサルタントは、大手ファームがカバーしていないニッチな領域をやることで、うまく棲み分けができていると思います。

また、大手ファームのプロジェクトフィーが支払えるほどの予算を持っていない企業や団体も少なくありません。そのような企業や団体は、チームによる支援ではなく、専門性を持った個人のコンサルタントによる支援を求めていることもあり、案件の依頼をいただくことがあります

他のフリーランスの方とチームを組んで活動。
個人としてはよりマーケット需要を意識したスキルアップに注力

―フリーランスになってファーム時代と変わったことはありますか?

個人としてマーケットの需要により敏感になったことは変化の一つです。クライアントや社会から求められるコンサルタントであり続けるために、社会全体の動向やニーズを俯瞰しつつ、参画する案件の選定や専門性の向上に努めています。

 例えば、サステナビリティ領域においては、欧州の政策動向を踏まえ、新たなテーマや課題を把握することを意識しています。将来的に日本の企業や団体が対応を迫られるであろうテーマについて、先んじて知見を深めておくことが、案件獲得にもつながっていると実感しています。

また、コンサルティングファームにいると常に多くの案件依頼がありますが、フリーランスとして独立すると案件が少ないこともあります。そのため、フリーランス同士でチームを組むことの重要性を感じています。現在、私も数名のメンバーでチームを組んでいるのですが、各メンバーが持つ人脈を活かして案件を相互に紹介し合うことで、安定した案件獲得が可能になっています。また、チームで動くことで、モチベーションを保てますし、新しいノウハウや知見も効率よく学ぶことができます。

―独立してワークライフバランスはどう変わりましたか?

私がファームに在籍していた当時は、働き方改革がまだ十分に浸透していなかったため、長時間労働が常態化していました。それと比較すると、現在は土日に業務に従事することもありますが、時間の調整がしやすく、ファーム時代ほど長時間の労働が継続することはなくなったため、ワークライフバランスは大幅に改善しました。 しかしながら、長年にわたってリモートワークを中心に案件を受注してきた中で、対面での業務も行いたいという思いが芽生えてきました。そこで、フリーランスコンサルタントとしての活動は継続しつつ、現在住んでいる国でフルタイムの仕事も始める予定です。

―フリーランスとして独立して良かったことはありますか?

私自身、1つの仕事だけをやるよりも、色々な組織や人と一緒に働く方が好きなタイプです。様々な組織・人と関わることで、幅広い知識を習得し、人脈を構築できることに大きな魅力を感じています。特に、組織が成長過程にある時期に関与できれば、非常に面白い経験を積むことができます。そういった意味で、フリーランスとして独立し、様々な案件に関われていることは非常に良かったと感じます。

今後も現場で社会課題と向き合っていきたい

―今後のキャリアはどう考えていますか?

私は明確なキャリアプランを設定するタイプではありません。これまでと同様に、人との出会いを大切にしながら、自分がやりたいこと・関心のあることにチャレンジし続けたいと考えています。その中で、フリーランスコンサルタントという働き方は、関心のある分野に挑戦しつつ、収入の調整がしやすいため、自分に合っていると感じています。そのため、当面は現在のような働き方を継続する予定です。

大学時代から社会課題の解決に関心があり、サステナビリティの領域に関わってきました。私は目の前に課題があるのに、それに対して何も行動を起こさないことが好きではありません。世界で発生している様々な課題を直視し、その解決に取り組める人でありたいと考えています。

また、実際に社会課題を抱えている現場に身を置くことが好きです。私が今住んでいる国は複数の先住民族が暮らしており、今なお内戦が続いています。その一方で、生物多様性は世界トップクラスであり、気候変動の影響を強く受けている国でもあります。現地にいるからこそ分かる課題をうまくかみ砕いて、多くの人に伝えていくことは私に向いていると思うし、好きだと感じています。そして、課題解決に向けたソリューションを策定する上で、コンサルタントとしての経験が役立ちます。

今後も、このような社会課題に真摯に取り組む組織や個人をサポートしていくような人生を歩んでいきたいと考えています。

―本日は貴重なお話をありがとうございました!

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