データサイエンティストのフリーランス案件：厳選エージェント3社

ビジネス領域でのデータサイエンス活用経験を持つプロフェッショナルの中で、フリーランスとしての独立を検討される方が増えています。これは、コンサルティングファームや事業会社での経験を活かし、より柔軟な働き方を求める動きと言えるでしょう。

現代のビジネス環境において、データ分析は企業の競争力を左右する重要な経営資源となっています。顧客インサイトの発掘から業務プロセスの最適化まで、その活用領域は日々拡大の一途をたどっています。こうした潮流を受け、高度なデータサイエンスのスキルを有する専門家の獲得競争は、グローバルレベルで一層激しさを増しています。

このような市場環境の中、即戦力として活躍できるフリーランスのデータサイエンティストへの需要は着実に高まりを見せています。

本記事では、データサイエンティストが活躍できるフリーランス案件の具体例や収入水準、さらにはおすすめの案件紹介エージェントについて、実践的な情報をお届けします。

データサイエンティストに対する需要の状況

なぜデータサイエンスが求められているのか？

デジタルトランスフォーメーションの加速により、企業は空前の規模でデータを蓄積しています。Eコマースでの購買行動、ウェブアクセスログ、IoTデバイスからのセンサーデータ、ソーシャルメディア上の消費者インサイトなど、これらのビッグデータには、企業の成長を加速させる重要な示唆が内包されています。

データサイエンスは、この大量のデータから実践的な知見を引き出し、ビジネス価値へと転換する技術です。

例えば以下のような価値を企業にもたらします：

データサイエンティストは2030年に12万人規模で不足

データサイエンティストの定義

前述したようなデータ活用の重要性の高まりを受けて、データサイエンティストの需要は急速に拡大しています。

データサイエンティストという職種について、主要な機関では以下のように定義されています：

• データサイエンティスト協会は「高度に情報化された社会において、複雑化・増大化するデータから、ビジネスにおいて実行可能な情報を創出できる専門人材」と位置づけています。
• 厚生労働省のjobtagでは「ビッグデータの分析を通じて、新たな商品・サービスの創出や業務プロセスの革新を実現し、経験や勘に頼らない科学的なビジネス展開を可能にする専門職」と説明しています。
• 厚生労働省とIPAが策定したデジタルスキル標準では「DXの推進において、データ活用による業務変革や新規ビジネスの実現に向けて、データの収集・解析の仕組みを設計・実装・運用する人材」と定義しています。

これらの定義に共通するのは、「データの分析・活用を通じてビジネス課題を解決する専門人材」という本質的な役割です。

深刻な人材不足の実態

経済産業省の「AI人材供給の試算結果」によれば、データサイエンティストを含むAI人材は2030年までに12万人以上の供給不足に陥ると予測されています。この背景には、以下のような日本特有の構造的課題が存在します：

• 職種認知度の低さ：2024年時点での認知率は約25%に留まり、欧米（ドイツ56.7%、アメリカ63.1%）やアジア（インド80.8%）と比較して著しく低水準です。
• 組織体制の未整備：データサイエンス専門部署の設置率は日本企業で7.7%に過ぎず、他国（25.1%～68.8%）との顕著な差が見られます。

このような状況を背景に、社内リソースでは対応できない企業のデータ活用ニーズに応えるべく、コンサルティングファームの活用と並行して、フリーランスのデータサイエンティストへの期待が高まっています。

参考：経済産業省「IT人材需給に関する調査」 

参考：一般社団法人データサイエンティスト協会「データサイエンティストをめぐる環境の違い」 

フリーランスのデータサイエンス案件例

フリーランスのデータサイエンティストに寄せられる案件の多くは、企業が直面する具体的な経営課題に対して、データ分析やモデリングを通じたソリューションの提供を求めるものです。案件の特性は大きく以下の3つのパターンに分類されます：

• 課題解決型プロジェクト
  • 具体的なビジネス課題が明確で、その解決に向けたデータ分析が求められるケース
  • 例：顧客離反予測モデルの構築、需要予測システムの開発など
• 技術指定型プロジェクト
  • 使用するツールやプログラミング言語が明確に指定されているケース
  • Python、R、SQLなどの特定技術スタックでの開発要件
• 探索的分析プロジェクト
  • クライアントが保有するデータの価値発掘から始めるケース
  • データ資産の棚卸しとビジネス活用可能性の検討
  • 新規サービス開発に向けたデータ活用戦略の立案

参考：案件情報はフリーコンサルタント.jp のウェブサイト公開案件情報より

フリーランスデータサイエンティストの年収

データサイエンス分野のフリーランス案件は、特にフリーコンサル向けエージェント経由の案件において、月額報酬100万円以上の高単価案件が豊富に存在します。この背景には、高度な専門性と即戦力性への市場ニーズが反映されています。

年収シミュレーション例

これらのシミュレーションが示すように、適切な案件選択と稼働率の管理により、年収1,000万円以上の収入水準は十分に実現可能です。ただし、この水準を安定的に維持するためには、継続的なスキルアップと継続的な案件獲得が不可欠となります。

フリーランスのデータサイエンス探しでおすすめのエージェント3選

フリーコンサルタント.jp

サービス名：	フリーコンサルタント.jp
運営会社：	株式会社みらいワークス
得意領域：	戦略/業務・IT/DX
おすすめ利用者：	コンサル出身者、SIer出身者、事業会社出身者
公式サイト：	https://freeconsultant.jp/

フリーコンサルタント.jpのDS案件例

ハイパフォコンサル

サービス名：	ハイパフォコンサル
運営会社：	INTLOOP株式会社
得意領域：	IT/DX（特にPMO） ※案件数が多いので、他領域の案件も豊富
おすすめ利用者：	コンサル出身者、SIer出身者、事業会社出身者
公式サイト：	https://www.high-performer.jp/consultant/

ハイパフォコンサルのDS案件例

アビリティクラウド

サービス名：	アビリティクラウド
運営会社：	イグニション・ポイント フォース株式会社
得意領域：	戦略/業務・IT/DX
おすすめ利用者：	コンサル出身者、SIer出身者
公式サイト：	https://consultant.abilitycrowd.com/

アビリティクラウドのDS案件例（公開情報より）

フリーランスデータサイエンティストにおすすめの資格

フリーランスとして案件を獲得していくうえで最も重要なのは実務経験や実績ですが、会社の看板のないフリーランスにおいては、資格もスキルを証明するものとして有効なことがあります。

データサイエンティストとしては以下のような資格を持っているとアピールに繋がるかもしれません。

• 統計検定データサイエンス発展（DS発展）
  • データサイエンス基礎をふまえて倫理・AI、数理、情報、統計といったデータサイエンスに必要なスキルを評価するための資格試験です。
  • 参考：一般財団法人 統計質保証推進協会「統計検定」 
• 統計検定データサイエンスエキスパート （DSエキスパート）
  • ータサイエンス発展をふまえて大学専門レベルの高度なデータサイエンスに関する専門スキルを評価するための資格試験です。
  • 参考：一般財団法人 統計質保証推進協会「統計検定」 
• E資格
  • エンジニアが持つディープラーニングの知識やスキルを証明する資格です。
  • 参考：一般社団法人 日本ディープラーニング協会 
• Python 3 エンジニア認定基礎試験
  • Pythonの基礎知識を試す試験です。
  • 参考：一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会