【4選】フリーランスECコンサルタントの案件・おすすめエージェント

Eコマース業界で豊富な知見を持つコンサルティングファームのプロフェッショナルや、EC専門のコンサルティング・ベンダー企業でキャリアを積んだ実務家の中には、独立してフリーランスコンサルタントとしての道を模索する方々が増えています。

国内のEC市場は、B2CおよびB2B領域において持続的な成長を遂げており、商取引全体に占めるEC化率も着実に上昇しています。このような市場環境において、企業が販売チャネルとしてEコマースを重視するのは必然的な戦略といえます。特にShopifyやBASEといったECプラットフォームの台頭により、参入障壁が大幅に低下し、多くの企業がEC事業に参画しています。しかしながら、EC市場への参入が容易になった一方で、実際の収益化には依然として課題を抱える企業も少なくありません。

このような状況下で、豊富な実務経験を持つフリーランスコンサルタントへの需要が高まっています。具体的には、サイト診断、顧客体験の設計、コンバージョン率の改善といった専門的な支援が求められています。さらに、グローバルにEC展開を行う大企業においては、コンテンツガバナンスを含むグローバル戦略とローカライゼーションの最適化、効率的な業務設計など、より高度な課題解決が必要とされ、経験豊富なコンサルタントの知見が不可欠となっています。

本記事では、フリーランスコンサルタント向けの具体的なEC案件、市場における年収水準、そしてEC案件に強いエージェントについて、詳細な情報をお届けします。

国内Eコマース市場の状況とコンサル需要

国内Eコマース市場はB2C・B2B問わず拡大傾向

経済産業省の「電子商取引実態調査」によれば、2023年の3分野合計（物販・サービス・デジタル）の国内BtoC-EC市場規模は、24 兆8,435億円となっています。2014年時点で12兆7,970億円だったBtoC-EC市場はこの約10年で、およそ2倍にまで拡大しています。

国内BtoB-EC市場についても、2023年の市場規模は465兆2,372 億円（前年比 10.7％増）となっており、成長が続いています。

参考：「令和５年度電子商取引に関する市場調査報告書」（令和6年 経済産業省 商務情報政策局 情報経済課） 

ECに取り組む企業の多くが課題を抱えている

Eコマースに取り組む企業が増えている一方で、企業のECに対する課題感は少なくありません。ECプラットフォーム「ecforce」を提供する株式会社SUPER STUDIOの調査によれば、日本のEC化率（EC市場規模）が進むために最も課題だと考えられているものについて、「魅力的なEC事業社の増加」、「ECに関するノウハウ不足/ノウハウを持った人材不足」の2つが上位にくる結果となっています。

このうち「ECに関するノウハウ不足/ノウハウを持った人材不足」をカバーするための人材として、フリーランスのECコンサルタントが注目されています。

参考：株式会社SUPER STUDIO プレスリリース 

フリーランスのECコンサル案件例

フリーランスコンサルタント向けのEコマース案件は以下の4つに分類できます。

• 新規参入支援
• 既存EC事業の改善
• システム構築・改修
• 越境EC展開支援

新規参入支援

オンラインストア立ち上げ全般のサポート：ECサイト立ち上げにおける戦略策定から実行までを包括的に支援。事業計画の策定、システム構築、運営体制の確立、マーケティング施策の展開まで、クライアントの状況に応じて必要な支援領域を特定し、プロジェクト全体をマネジメント。

プラットフォーム選定（自社ECか既存モール活用か）： 企業の経営戦略、商材特性、投資余力、運営体制を総合的に分析し、最適なEC展開方針を策定。自社EC構築による独自性の追求と、既存モール活用によるスピーディな市場参入のメリット・デメリットを評価し、選定をサポート。

商品構成・価格戦略の策定：オンラインでの購買行動分析と競合環境の把握に基づき、最適な品揃えと価格戦略を設計。商品カテゴリーの構成、価格帯の設定、利益率設計、配送料戦略など、収益性と市場競争力の両立を図る戦略を立案。

物流・在庫管理体制の構築：効率的な物流・在庫管理体制の確立により、顧客満足度と収益性の向上を実現。自社物流と外部委託の選択、在庫拠点の設計、配送業者の選定、返品対応フローの確立など、オペレーション基盤を構築。

決済システムの導入支援：多様な決済手段への対応とセキュリティ対策の両立を支援。クレジットカード、後払い、電子マネー等の決済手段選定から、PCI DSS対応などのセキュリティ要件の充足まで、安全で利便性の高い決済環境を整備。

既存EC事業の改善

既存EC事業の改善：実績データに基づく現状分析から、売上・利益の向上に向けた具体的な改善施策を立案・実行。顧客行動の分析、競合ベンチマーク、業界トレンドの把握など、多角的な視点から改善機会を特定し、優先順位付けを行う。

サイトUIやUXの最適化：ユーザーの行動分析とヒートマップ等の活用により、購買動線における課題を特定し改善を実施。商品検索のしやすさ、商品詳細ページの構成、購入プロセスの簡素化など、顧客目線での使いやすさを追求。

コンバージョン率向上施策の立案・実行：訪問者の購買につながるボトルネックを分析し、効果的な改善施策を実行。商品ページの訴求力強化、購入プロセスの最適化、レコメンデーション機能の改善など、具体的なKPIに基づく施策を展開。

カート離脱率の改善：カート離脱の発生タイミングと要因を詳細に分析し、効果的な対策を実施。配送料の表示タイミング、決済手段の充実度、セキュリティ表示の改善など、購入完了までの障壁を特定し解消。

顧客データ分析と活用方法の確立：購買履歴やサイト行動データを統合的に分析し、顧客インサイトを抽出。顧客セグメント別の施策立案、パーソナライズドマーケティングの実施、LTV向上に向けた戦略立案など、データドリブンな施策を展開。

クロスセル・アップセル戦略の構築：購買データの分析に基づき、効果的な関連商品提案と単価向上施策を設計。商品間の関連性分析、購買タイミングの最適化、セット販売の企画など、顧客ニーズに即した提案方法を確立。

システム構築・改修

ECプラットフォームの選定・導入：企業のニーズと予算に合わせた最適なECプラットフォームを選定し、スムーズな導入をサポート。SaaS型からパッケージ型、フルスクラッチまで、要件に応じたプラットフォームの比較検討と、カスタマイズ範囲の設計を実施。

基幹システムとの連携：既存の基幹システム（会計、在庫管理、顧客管理など）とECシステムの効率的な連携を実現。データ連携の自動化、リアルタイム同期の実装、マスターデータの一元管理など、業務効率化とデータ整合性を両立する設計を提供。

受発注・在庫管理システムの構築：受注から出荷までの一連のプロセスを効率化するシステムを構築。在庫の自動発注、倉庫との連携、複数店舗での在庫共有など、業務効率と在庫精度の向上を実現。季節変動や特需への柔軟な対応も可能な設計を提供。

CRMツールの導入・カスタマイズ：顧客データの統合管理と活用を可能にするCRMシステムの導入を支援。顧客セグメンテーション、購買履歴分析、コミュニケーション自動化など、顧客関係強化に必要な機能を実装。事業特性に応じたカスタマイズも提供。

セキュリティ対策の実装：EC運営に必要な各種セキュリティ要件への対応を支援。クレジットカード情報の保護、個人情報の管理、不正アクセス対策など、安全なEC運営に必要な対策を実装。定期的な脆弱性診断や監視体制の構築も含めた包括的な対策を提供。

越境EC展開支援

海外市場調査・進出戦略立案：各国のEC市場規模、成長性、競争環境、消費者特性などを詳細に分析し、最適な進出市場と展開方法を提案。市場ごとの商品ニーズや価格感応度の違いを踏まえた品揃え・価格戦略の立案、収支計画の策定を支援。

現地法制度への対応：進出先国における各種規制や必要な許認可の取得を支援。商取引関連法規、消費者保護法、個人情報保護法、税制など、コンプライアンス上必要な対応事項を整理し、必要な体制構築をサポート。現地法務専門家との連携体制も確立。

多言語・決済対応：現地消費者向けのユーザー体験を最適化するため、サイトの多言語化と現地の主要決済手段への対応を支援。単なる翻訳だけでなく、文化的な配慮も含めたローカライゼーション、各国特有の決済習慣への対応を実現。

国際物流網の構築：越境ECに必要な国際物流の設計から、現地での配送網の確立までを支援。通関手続きの効率化、現地倉庫の活用検討、最適な配送パートナーの選定、返品対応フローの確立など、物流面での課題解決を実現。

現地マーケティング戦略の立案：進出先市場での認知獲得と顧客基盤構築に向けた効果的なマーケティング戦略を立案。現地のSNSプラットフォームの活用、インフルエンサーマーケティング、現地メディアとの関係構築など、各国の特性に応じた施策を展開。

参考：案件情報はフリーコンサルタント.jp 、ハイパフォキャリア  のウェブサイト公開案件情報より

フリーランスのECコンサルの年収相場

フリーランスECコンサルタントの収入は、案件の種類や専門性によって大きく異なります。特にECサイト構築やPMO、事業戦略策定などの高度な専門性が求められる案件では、高単価が期待できます。

主な案件単価の相場は以下の通りです：

• 基本的な運営支援・オペレーション改善案件：80-115万円/月
• 事業戦略策定・市場調査案件：100-150万円/月
• PMO・構築プロジェクト支援：160-250万円/月　※大規模プロジェクト

稼働率は案件により40-100%とばらつきがありますが、多くの案件で80-100%の高稼働が期待できます。

収入を最大化するためには、ECサイト構築やPMOなどの専門性の高い分野でのスキル確立が重要です。また、複数の案件を効率的に組み合わせることで、より安定した収入を確保することが可能です。

仮に月単価150万円の案件を80%の稼働率で1年間受注した場合、年収は約1,440万円（150万円 × 0.8 × 12ヶ月）となります。特に高単価なPMOや構築プロジェクトの案件では、年収2,000万円以上も十分に可能な水準です。

フリーランスのECコンサルにおすすめの案件紹介エージェント

フリーコンサルタント.jp

サービス名：	フリーコンサルタント.jp
運営会社：	株式会社みらいワークス
得意領域：	戦略/業務・IT/DX
おすすめ利用者：	コンサル出身者、SIer出身者、事業会社出身者
公式サイト：	https://freeconsultant.jp/

フリーコンサルタント.jpのEコマース領域の案件例

ハイパフォコンサル

サービス名：	ハイパフォコンサル
運営会社：	INTLOOP株式会社
得意領域：	IT/DX（特にPMO） ※案件数が多いので、他領域の案件も豊富
おすすめ利用者：	コンサル出身者、SIer出身者、事業会社出身者
公式サイト：	https://www.high-performer.jp/consultant/

ハイパフォコンサルのEコマース領域の案件例

POD（Professionals On Demand）

サービス名：	POD
運営会社：	ランサーズ株式会社
得意領域：	戦略/業務・IT/DX
おすすめ利用者：	コンサル出身者、SIer出身者、事業会社出身者
公式サイト：	https://pod.jp/

PODのEコマース領域の案件例（公開情報より）

offeeer

サービス名：	offeeer（オファー）
運営会社：	株式会社meher
得意領域：	業務およびIT系のPMO案件
おすすめ利用者：	コンサル出身者、SIer出身者、事業会社出身者
公式サイト：	https://www.offeeer.jp/

offeeerのEコマース領域の案件例（公開情報より）