Big4から独立へ ─ 請求書の驚きが人生を変えた28歳コンサルタントの決断

フリーランスコンサルタントインタビュー

近年、コンサルティング業界でもフリーランスとして独立する人が増えています。しかし、独立後の案件獲得や収入の安定性、キャリアの築き方など、不安を感じる人も少なくありません。

今回はBig4からフリーランスコンサルタントとして独立し、現在7年目となる方へインタビューさせていただきました。

目次

-簡単にご経歴を教えてください

大学卒業後、新卒で人材系のベンチャー企業に入社しました。入社後はテレアポによる営業活動からキャリアをスタートし、その後事業企画・マーケティング部門へと職域を広げていきました。

約3年が経過したタイミングで、当時Big4の1社が第2新卒の採用を強化していたこともあり、コンサルティングファームへ転職しました。その後、フリーランスコンサルタントとして独立し、現在は独立後7年目を迎えております。

-ベンチャー企業からBig4コンサルティングファームに転職したきっかけを教えてください。

当時のベンチャー企業は数百名規模で、若手人材が多く活躍する環境でした。私自身も入社2年目からマーケティング予算と裁量権を与えられ、担当事業の集客戦略の策定から実行までを一貫して経験することができました。

しかし一方で、上司も20代が中心であり、いわゆる「大人」の社会人から仕事の基本を体系的に学ぶ機会に恵まれませんでした。そこで、より洗練された組織で業務の基礎を固めたいという思いが芽生えました。

また、自社のプロダクトだけでなく、クライアント企業やその事業の成長を支援するコンサルティングの仕事にも強い関心を抱くようになり、キャリアの幅を広げる選択としてBig4コンサルティングファームへの転職を決意しました。

-コンサルティングファームではどのような仕事をしていましたか?

前職での経験を活かし、主にマーケティング関連のプロジェクトに携わっていました。具体的には、大企業における新規事業立ち上げ時のPoC(実証実験)支援や、リリース後のグロース戦略の立案・検討などを担当していました。

また、40代のシニアマネージャーと共にプロジェクトを進める機会に恵まれ、ビジネスパーソンとしての基本姿勢やコンサルタントとしての仕事の進め方を体系的に学ぶことができました。

-そうした中でフリーランスコンサルタントとして独立した背景を教えてください。

コンサルティングファーム時代のあるプロジェクトで、フリーランスのコンサルタントがチームメンバーとして参画していました。ファームのシニアマネージャーとジュニアポジションだった私の間に、30代半ばのフリーランスコンサルタントがマネージャー的立場で加わり、実質的にはそのフリーランスの方と私の2名でプロジェクトを回していました。

その方の働き方や仕事への姿勢を間近で見る中で、このような自由度の高い働き方に魅力を感じるようになりました。

また、あるとき「シニアマネージャーに渡しておいて」と請求書を預かる機会があり、その金額の大きさに驚きました。当然ながら自分より経験豊富で価値を提供できることは理解していましたが、60%稼働でそれだけの報酬を得ていることに衝撃を受けると同時に、独立の可能性に目を向けるきっかけとなりました。

そうした経験から、まずは副業の可能性を探り始めました。以前のベンチャー企業では朝7時から深夜2時、3時まで働き、会社で寝泊まりするような生活をしていたため、比較的ワークライフバランスの取れていたBig4での勤務では時間的余裕を感じていました。その時間を活用できる副業を探すうちに、フリーランスコンサルタント向けの案件を紹介するエージェントと接点を持つようになりました。

エージェントとの対話を通じて案件獲得の見通しが立ち、副業よりも独立した方が効率的ではないかと考えるようになりました。元々20代のうちに独立したいという思いもあったことから、フリーランスコンサルタントとしての道を選択しました。

-独立にあたっての不安感はありませんでしたか?

退職前から独立後に参画する案件が既に確定していたため、大きな不安はありませんでした。最初の契約は3か月程度でしたが、その後も案件獲得は可能だろうと考えていました。また、独立後は月収が倍以上になる見込みがあったため、仮に次の案件がすぐに見つからなくても財政的に乗り切れるという見通しを持っていました。

-当時のご年齢はおいくつでしたか?

28歳でした。ちょうど結婚したタイミングと重なりましたが、妻も働いておりダブルインカムの安心感もありました。独立について妻に相談した際には「相談するということは、もう自分がやりたいと思っているんでしょ」と言われ、背中を押してもらったことも決断の後押しとなりました。

-最初はどれくらいのエージェントに登録しましたか?

Google検索で表示されたエージェントに上から順に登録していったため、20〜30社ほどには登録したと思います。私自身が人材事業の経験者だったこともあり、会社の規模や知名度よりも、最終的には担当者の質で決まると考えていました。「良い人と出会えれば」という思いですべてのエージェントに登録したのです。その中には、当時面談してから7年経った今でも取引が続いている担当者もいます。

-独立して最初の案件はどのようなプロジェクトでしたか?

最初の案件は稼働率80%で、1年間継続して支援させていただきました。事業会社から直接受注した案件で、クライアント企業の新規事業企画部門にメンバーとして参画する形でした。

常駐型の案件でしたが、夕方には業務が終了することが多く、夜間の時間を活用して別途広告運用の仕事も並行して請け負っていました。

-初年度の収入はいくらでしたか?

初年度の収入は約1,500万円だったと記憶しています。Big4コンサルティングファーム時代はジュニアポジションだったこともあり、独立後は収入が倍以上に増加しました。

-ワークライフバランスはどのように変化しましたか?

率直に言えば、以前より忙しくなりました。平日は朝から夕方までクライアント先に常駐してコンサルティング業務に従事し、夜はカフェなどに移動して別途受託した2〜3件の広告運用案件に取り組んでいました。土日も仕事に充てることが少なくありませんでした。当時はまだ子どもがおらず、特にワークライフバランスを意識する段階ではありませんでした。

-その後はどのようにフリーランスコンサルタントとして活動してきましたか?

節税の観点から2020年頃に法人化しました。

また、時間の経過とともに、小規模なコンサルティングファームの経営者やフリーランスコンサルタントとのネットワークが拡大していく中で、自身も案件マッチングの役割を担うようになりました。現在は、フリーランスコンサルタントとしての活動を継続しながら、同時に案件マッチングの事業も行っております。

-独立して良かったことを教えてください。

最も大きなメリットは経済面でしょうか。収入自体が増加したことに加え、会社員と比較して節税の選択肢が広がることで、可処分所得が大幅に増えました。

また、協働するパートナーを選択できる自由度も大きな魅力です。コンサルティングファームに所属していると、プロジェクトや共に働くメンバーを自由に選べる余地は限られますが、フリーランスとしては案件の事前面談を通じて、自身で受託の判断ができます。もちろん、市場の需要変動によって仕事を失うリスクも伴いますが。

-この7年間で最大の収入はいくらになりましたか?

売上ベースでは1億円を超えた年もありました。ただし、これはあくまで売上高であり、利益ではありません。先ほど触れた通り、案件マッチングも行っているため、数名のコンサルタントと案件をマッチングするだけでも、売上ベースでは1億円に到達しやすい構造になっています。例えば、ひとりのコンサルタントを月額150万円の案件とマッチングし、それが12か月継続した場合、売上としては1,800万円に相当します。

-独立したデメリットはありますか?

敢えて言えば、厳しく指導してくれる上司の不在でしょうか。自分のパフォーマンスや取り組み方に問題があっても、それが明らかになるのは契約終了という厳しい結果を通じてのみというケースもあります。これは時に厳しいと感じることもありますが、同じようなフリーランスコンサルタントや経営者仲間との対話を通じて日々研鑽を続けています。

ただ、総合的に見れば大きなデメリットは感じておらず、ポジティブな側面が圧倒的に多いからこそ、7年間この道を歩み続けています。

-最後にこれからフリーコンサルとしての独立を考えている方へのアドバイスがあれば頂けますか?

可能であれば、マネージャーレベルまで経験を積んでから独立することをお勧めします。マネージャークラスの経験があれば、独立後もコンサルティング業務を円滑に遂行できますし、単価も高く設定できます。

ただ、私自身はファーム在籍期間が実は約1年と短かったにもかかわらず活動を続けられているのは、人的ネットワークの存在が大きいと実感しています。

フリーランスコンサルタントの世界ではエージェント同士の繋がりも密接にあるため、どのプロジェクトに参画しても確実に責任を果たし、信頼を落とすような行動を避けることが何よりも重要です。

フリーランスコンサルタント完全ガイド

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